教育福島0063号(1981年(S56)08月)-013page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

その実施についても、学習指導要領によらなければならないことを定めたものである。

また指導計画の作成に当たっては、学習指導要領第一章総則に示す配慮事項をはじめ、第二章以下で各教科、道徳及び特別活動の指導計画の作成に関する配慮事項などを示しているので、各学校では、これらの事項に留意するとともに、地域や生徒の実態などを十分考慮し、創意工夫を生かした指導計画を作成するようにしなければならない。

学習指導要領第一章総則八項においては、「学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意を生かし、全体として調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。」としていくつかの事項を示しているが、指導計画の作成に当たっては、特に次のような事項に十分配慮することが必要である。

(1) 各教科、道徳及び特別活動の相互に関連が図られた指導計画であること。

(2) 発展的、系統的な指導が行われるような指導計画であること。

(3) 効果的な指導ができるように、指導内容のまとめ方、順序及び重点に適切な工夫を加えた指導計画であること。

(4) 弾力的な指導計画であること。

4 教育課程編成の原則

学習指導要領の総則1で、適切な教育課程を編成するための必要な原則として次の三点を示している。

1) 法令及び学習指導要領の示すところに従うこと。

2) 地域や学校の実態を十分考慮すること。

3) 児童生徒の心身の発達段階と特性を十分考慮すること。

この三点は、各学校が教育課程を編成する場合、欠くことのできない原則であるから、十分に分析し、それを教育課程の編成に生かすよう努めなければならない。

右の原則は、各学校における教育課程編成の一般的原則を示したものであるから、編成作業に当たっては、それぞれの原則を、さらに具体的に分析して、評価しやすいかたちにし、十分配慮したことが一見してわかるように工夫すべきである。

5 教育課程実施上の配慮事項

教育課程の実施に当たっては様々な事項について配慮しなければならない。学習指導要領第一章総則においては、実施上の配慮事項として、特に必要と思われるものについて示している。

したがって、各学校ではそこに示されている次の事項について十分配慮するとともに、従来の実践、研究の成果などを生かして、教育課程を実施するよう努めなければならない。

(1) 言語環境の整備(小・中)

学習指導要領第一章総則第八項(中学校九項)(1)においては「学校生活全体における言語環境を整え、児童生徒の言語活動が適正に行われるように努めること」と示している。

すなわち、学校生活全体における言語環境を望ましい状態に整えておくことが、聞く、話す、読む、書くという児童生徒の言語活動を適正にする上で

学校生活全体における言語環境の整備としては、例えば次のようなことが考えられる。

1) 教師は指導に際して、正しい言葉で話し、黒板などに正確な文字を書くこと。

2) 校内の掲示板やポスター、生徒に配布する学校・学級新聞等の印刷物において、用語や文字を適切にすること。

3) 校内放送において、適切な言葉を使って分かりやすく話すこと。

4) あいさつの言葉などを素直に交わす雰囲気をつくること。

5) 言葉や文字が適切に用いられる教材を使用すること。

(2) 教材・教具や学校図書館の計画的な利用を図ること。 (小・中)

(3) 学習の遅れがちな生徒、心身に障害のある児童生徒などについては、児童生徒の実態に即した適切な指導を行うこと。 (小・中)

(4) 指導の成果を絶えず評価し、指導の改善に努めること。 (小・中)

(5) 学校の教育活動全体を通じて、個々の生徒の能力・適性等の的確な把握に努め、その伸長を図るように指導するとともに、計画的、組織的に進路指導を行うようにすること。 (中)

(6) 教師と生徒及び生徒相互の好ましい人間関係を育て、生徒指導の充実を図ること。 (中)

(三) 教育活動を支える研修

教育活動は、社会の形成者として、創造的で豊かな人間性をそなえた心身ともに健康な児童生徒を育成するための目的的活動である。その目的を実現し教育の効果をあげるには、教師が専門的な資質を高めるばかりでなく、現代の教育の課題を把握して、将来を見通した教育の理念を確立して教育に当たらなければならない。その意味において研修は教師に果せられた責務でもある。

教育課程の実施にともない、研修を深めなければならない内容も多い。研修が教育課程に基づく教育活動を支えるものとして正しく位置づけられ、研究課題や内容、方法についての共通理解のもとに、主体的でモラールの高い研修の推進が望まれている。

1 研修の今日の課題

教育課程の実施に当たっては自ら考え正しく判断できる力を持つ児童生徒の育成を重視しながら、「人間性豊かな児童生徒の育成」「ゆとりあるしかも充実した学校生活」「基礎的・基本

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。