教育福島0063号(1981年(S56)08月)-016page

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ことが必要であり、そこには、互いに協力しあって経営の実を上げる指導態勢が大切である。

1) 学年の各担当教師が、その学年の成員である自覚に立って行動すること。

それは、ただ連絡を取り合って進めるだけでなく、共同の責任を負う一体的な結び付きで指導することである。

2) 学年としての授業の計画や生活指導などについて共通理解を持ち、学年の教師が相互に助言したり、援助したりする協力が必要である。

それは、各教師の特性、経験、専門的知識や技能などを組かした組織的・協力的指導を展開することである。

3) 学級の経営は、他の学級とかかわりなしに孤立的に経営されるものではない。また学年の経営も、他の学年の経営に深いかかわりを持ちながら、経営に当たる必要がある。

4) 学年・学経経営の協力体制は、教師ばかりでなく、児童生徒あるいはその保護者の間にも理解され、拡大されるようにすること0

3 推進力としての学年主任

指導態勢を整え、学年経営を充実していくためには、その推進役としての学年主任が重要な立場にある。

1) 学年主任は、望ましい学年教師の集団づくりと、信頼に立つ人間関係をもとに、共通の基盤を確立し、学年経営の効果を高める積極的な働きかけをすることが必要である。

2) 各種計画や実践、教科の指導、生徒指導等について、学級担任に協力し、適切な助言指導を行うように努めることが大切である。

3) 学級担任の学級経営に関する創意の開発に努めるとともに、学級間の調整に努めることが大切である。

4) 学年主任は学年の教育や研究の推進者の役割を果たすとともに、学校の研究推進の協力者として積極的な働きかけをすることが必要である。

5) 学校の教育目標を学年の児童生徒の実態に基づいて実践できるように具体化し、教育活動に直結する教務事務を遂行して、学校経営を積極的に援助するように努めることが大切である。

4 学級担任の任務と心構え

学級担任は、学級経営の主体者として、学級経営全般にわたっての計画、運営、管理などを実践し推進する任務を持っている。

そして、直接児童生徒に接し、指導する立場から、学年経営を支え、学校経営を推進している重要な立場にあることを理解して、学級経営に創意と工夫を重ね、学級経営の効果を高める努力が必要である。

特に、学級における望ましい人間関係を育てる上での学級担任の及ぼす影響は極めて大きいことを自覚し、経営に当たることが大切である。

そのためには、

1) 共に人間の生き方を考えていくという真剣な態度で接する。

2) 児童生徒一人一人の人格を尊重して接する。

3) 共感的な態度と愛情をもって接する。

という教師の基本的な態度が大切である。

(二) 成長の喜びが感得できる学級経営

学級は児童生徒の学校に齢ける基本的な生活の場であり、学習集団としてまた、生活集団として、充実の喜びが味わえる学級を作ることが大切である。

そのためには、

1) 担任を中心とした、指導者の豊かな人間性にふれさせ、成長期に応じた教育をぞんぶんに受けさせ、健康で安定感のある学級生活をおくらせる。

2) 望ましい人間関係の中で、それぞれの児童生徒の内的価値を発揮させ協力と建設に努力し合う学級集団の生活を経験させる。

3) 文化的、創造的、情操的な配慮に

満ちた学級環境の中で、主体的な学

習経験を十分つませる。

ことなどに配慮し、教師の一方的な働きかけだけでなく、児童生徒一人一人が学級集団活動に意欲的、積極的に参加するようにする。

(三) 動きのある教室環境

環境は、人格形成の上で大切な役目を持っている。清潔に整備された、美しい環境の中での学校生活は、児童生徒をより楽しく、より充実したものにし、学習効果や生活態度を向上させていく。特に、学校生活の中心的場である教室環境の経営は大切である。

1 児童生徒の教室経営への参加

教室の持つ教育的意味の実現のためには、児童生徒が自分たちの教室を整えることに参加し、協力し、作り上げていくことが大切である。特に、目的達成のための手順や方法が、児童生徒によく理解されており、児童生徒の活動の場、機会が適切に位置づけられていることが必要である。

2 学習・生活意欲を高める構成

教室は、児童生徒に魅力を与え、生き生きとした場でなければ、生活を充実させることはできない。そのためには、児童生徒の興味や関心をひく豊かな資料、創意工夫に富んだ構成が大切になる。また、明るく、美しく整理された、やすらぎを得る状況をかもし出していることが必要である。

3 動的な経営

一度整えられたものが、そのまま固定し発展しないのでは、教育効果をあげることはできない。したがって、たえず計画にそった動的な経営を通して新鮮味を失わないように努めることが大切である。

4 健康、安全に留意した環境

健康、安全への配慮が教室のすみずみまで浸透し危険物の撤去はもちろ

 

 

 


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