教育福島0063号(1981年(S56)08月)-017page
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ん、保温、通風、採光にいたるまで、細心の注意をはらうことが必要である。
四 教科指導
(一) ◆授業に生きる指導計画の作成
1) 指導目標の明確化
どの児童生徒も「授業がよく分かりたい。そして、もっと新しいことを学びたい」という欲求を持っている。
この欲求にこたえるためには、児童生徒が学習内容をよく理解できるよう綿密な計画を立てて臨まなければならない。それには、まず教科の本質に基づいて指導目標を具体的にし、その目標に即して指導すべき内容を検討していくことが大切である。
○学習指導要領、指導書によって教科の目標、学年又は分野間の目標を的確に把握する。
○学校の教育目標と教科目標とのかかわりを明確にする。
○教科書教材の分析検討を十分に行い単元や頭材の指導目標を具体的にとらえる。
○毎時の指導目標は、到達目標として次の点に留意しながら設定する。
・指導目標は、児童生徒の学習目標に転化し、自分自身の課題として自覚しうるものにする。
・到達可能であり、児童生徒自身にも到達可能であることをわかるようにする。・一般的、抽象的でなく、具体的で焦点化されたものにする。
2) 指導内容の精選と重点化
精選、重点化のねらいの第一は児童生徒にいかに基礎的、基本的事項を確実に身につけさせるかということであり、第二は、重点化を図ることによって、学習指導の深化が期待され、真に転移可能な知識や技能の習得が容易になるとともに、ゆとりのある活動の中で、学習のしかたを身につけさせ、自主性や創造性を養うことである。
重点化は、次のような手順で進めることが望ましい。
○学習指導要領に示されている各教科の目標と内容の関連を構造的に把握する。
○教科の本質に基づいた見方、考え方を明確にして、基本的事項の系統性や相互関連を明らかにする。
○児童生徒の学習の実態を十分に把握する。
○教科書教材をよく分析検討し、児童生徒の実態と教材の適時性という観点から、指導内容の選択統合を図り、軽重をつけた指導ができるようにする。
また、重点教材の反復、深化、拡大すべき個所や時期等も明確にする。
3) 教材研究の焦点化
いきいきとした授業を展開するためには、十分に精選重点化の図られた指導計画を基にして、一時限ごとのきめの細かい教材研究を進める必要がある。
○教材の持つ教育的価値を明らかにする。
・指導目標を的確に把握する。
・指導目標の具体化を図る。
○教材のしくみを明らかにする。
・中心となる考え方をみつける。
・基本的ことがらをつかむ。
・具体的な学習事項をつかむ。
○教材の関連を明らかにする。
・他教科、他教材との関連を考察する。
・単元又は教材ごとの教科書の内容をくわしく調べ、指導事項を洗い出して、指導順序を検討し適切に再構成する。
・教材の系統性を吟味する。
・教材の論理的順序を検討する。
・教材のくみたての順序は、どんな心理的順序づけをしたらよいかを検討する。
(二) 意欲的・自主的に学習する指導法の工夫
教育のねらいと指導の方法は、密接な関係を有し、教育のねらいは、自ら指導の方法を規制するといえる。
旧態依然とした画一的な指導方法をもってしては、「自ら考え、正しく判断する能力を養う」という教育のねらいを達成することは困難であろう。
従来の指導法について真剣に検討を加え、改善することが強く求められている。
1) 合理的な指導過程の組織化
指導過程は、指導内容を明確にとらえて、教材の構造及び児童生徒の思考や認識の過程にそって組み立てること
大切である。
○指導目標をとらえる。
指導過程を支える基本的な柱は、指導の目標である。
目標は、学習指導要領の示すところを基本とし、主たる教材としての教科書の内容を十分に検討し、できるだけ端的にとらえる必要がある。
すなわち、学習指導要領の目標から具体目標を分析し、更にそれをくだいて、一時間の目標をとらえ、内容を選択することが必要である。
また、知的理解、技能習得という面だけでなく、態度、関心という面からも目標をとらえるようにしたい。
○教材を再構成する。
指導の目標に即して教材を再構成するとともに、それを支えている外的条件を吟味する。
○教材の内的構成を明確に把握する。
取り扱われる教材には、さまざまな側面があり、そのすべてを取り上げようとすれば、焦点がぼやけてしまう。
目標達成のためには、どこを強調すべきかを明らかにすることが大切である。すなわち、教材の中核的な部分と派生的な部分を区別するとともに、その関連をとらえることが必要である。
○指導の段階を工夫する。
一般的に行われているの硬導入、展開、終末という段階であるが、画一
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