教育福島0063号(1981年(S56)08月)-032page

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わたしの研究実践

 

学習のつまずきと指導の工夫

−2次関数の指導を通して−

下郷町立下郷中学校教論

高石宣治

 

一 実践の趣旨

 

進んでいる生徒をより伸ばすとともに、遅れがちな生徒もそれぞれの能力に応じて十分伸ばしてやりたいと、毎日の授業実践の中でいろいろと対策を考えながら指導しているにもかかわらず、生徒の学力の格差は学年が進むにつれてますます広がっていく。そしてそのことにいつも心を痛めながら、少しでも、生徒にとって魅力のある「わかる授業」にしようと努力している。

学習指導要領改訂の基本方針である「基礎・基本を大切に」し、しかも生徒ひとりひとりにとって「ゆとりある充実した」学習をおしすすめるには、なんといっても生徒ひとりひとりのつまずきを明らかにし、それを早期に解消してやることが必要である。このことは決して新しいことではなく、先輩の数学教師がすでに実践してきたところである。

すべての生徒に等しく基礎学力を定着させる試みの一つとして二次関数における学習のつまずきを、生徒の側に立って分析解明することにより、生徒の思考過程を知り、早期につまずきの治療をはかる。という視点から、授業を実践し日頃の数学の授業を見直し、自らの教育活動の改善に役立てていくとともにひとりでも多くの生徒が「数学がわかるようになった」といってくれることを願っている。

 

二 実践の手順

 

(一) 診断−毎時間、指導目標への達成度をおしはかる「評価テスト」を実施して、生徒のつまずきの様態を調べる。

(二) 分析−主要な誤答傾向について理由を解明し、原因を分析する。

(三) 追指導そのつまずきを早期に治療するために、個別指導をする。

(四) 改善−同様な誤答やつまずきをできる限り少なくするための授業の工夫や検証実践(同学年四クラス)をする。

 

資料1) 評価問題

 

 

 

 


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