教育福島0063号(1981年(S56)08月)-033page
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三 実践の内容(二次関数)
(一) 評価問題
毎時間一問を原則とした。(資料1))
(二) 主な誤答とその理由
学級全体の誤答の統計とともに、設問ごとにその実態を把握するために、誤答者との面接を実施して、その理由を解明し原因を分析する。 (資料略)
(三) 追指導
つまずきの内容および人数を具体的におさえられれば、それによって授業形態を一斉、班、個別等、適切なてだてがとれる。
1) 練習時間における小集団指導
各節末において重要課題を二題与え班による助けあい学習をさせる。理解していない生徒には、一つの小集団を構成し教師が指導する。 (資料2))
〈助け合い学習の約束〉
・まちがいは発見の母、おおいにグー。しかし、同じことを三度まちがえるのはあかん!!
・わからないのがグー。わかった者に聞いてやるのは、わかった者により深い勉強をさせてやっていると思え!!
・説明や発表を聞いている時以外は友達と自由に相談する!!
2) 重要な教材での授業形態の工夫
ア 問題を各自が解く。
イ 異なる答をすべて板書する。
ウ その答の出るまでの方法や考え方を発表しあう。
工 質問、意見等を出しあい問題点を明らかにし、解決方法を探す。
オ 自分の考え方を訂正、つけ加えをしてまとめる。
カ 例題のドリル、班での助け合い学習、個別指導をする。
この方法は、時間はかかるが多種多様な誤答が見つかり、また、そのちがいを究明していく段階で、特徴的なつまずきの発見とその解決ができる。協力しあう明るい学級づくりが前提にあることが望ましい。
3) ノート点検による個別指導
ア ノートは自分の勉強を写す鏡である。
イ 書くことによって身につくこと。
ウ メモらんの効果的な使い方を常に心がける。
4) 面接による個別指導(前述三の(二))
休憩時間や放課後を利用して、自主及び指名を問わず気軽に行う。
四 反省と課題
(一) 授業ごとに、生徒一人一人の実態をつぶさに把握することは容易ではないが、個別指導を充実させる上で大変有効であった。
(二) 生徒の実態を考慮して、無理なく授業が組織され、形成的評価が適切に行えたこと。
(三) 課題意識を持って自主的に取りくみ、協力しあってよく発表するようになったこと。
資料2)
練習時間における小集団指導
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(四) 反面、仮説の効果の判定等、研究法によるまとめ方がよくできなかった。
T この二次関数のグラフは上あるい
は下のどっちに開いている?
C 下に開いている。
T どこでそれがわかる?
C マイナスがついているから。
T そうだね。じゃ、このグラフ黒板
に、y=−2x◆のグラフを書いて
みよう。
C (xの主な整数値に対するyの値
を求め点をプロットする)
T xの条件、つまり定義域をまず書
き入れよう。
C ここ(−4)からここ(−2)までです。
T xが(−4)のとき、yはどこかな?
図に示ぜぱ?
C aのところだ。
T aのところは、じゃいくらかな?
C (計算する者もあり)−32
T それじゃ、xが−4より少しずつ大
きく(矢印で示す)なっていったら
yの値は−32のところより、上がるか
それとも下がっていくか?
C 上がっていく。
T (両手で連動させながら)そうだ
ね。(赤チョークで太く印しなが
ら)yは、どんどん上がっていって
どこまでいくのかな?
C ここ(b)まで。
T bの値はいくらかな?
C −8。
T 上がってきて、b(−8)でストップだ
ね。Xのこの範囲を定義域といい、
yのこの範囲を値域というんだ。
T 値域を、どのように式で書き表し
たらいいかな? 一番小さいのは?
C −32。
T 一番大きいのは?
C −8。
T −32と−8の間にあることを−32◆y、
◆−8と表す。−32と−8自身を含むか
ら等号が入る。
このあと、設問2)、3)を各自やり、あわせて、最大値、最小値の位置を確認させて、ノートを整理させた。このようにグラフ(図)を書いて考えることが大切であることを力説したい。
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