教育福島0063号(1981年(S56)08月)-046page
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ふるさと探訪
県指定重要文化財(工芸品)
藤生熊野神社御正体 八面
所在地 南会津郡田島町大字藤生
字上平1423−12
所有者 熊野神社
銅造薬師如来懇仏 一面
銅造千手観音懸仏 一面
銅造十一面観音懸仏 一面
銅造聖観音懸仏 三面
附 懸仏 二面
南会津郡田島町藤生にある熊野神社には八面の御正体が納められている。
このうち銅造薬師如来懸仏は、銅製鍍銀の鏡板に半肉彫り、台座まで一鋳の薬師如来坐像を鋲どめにしている。額には白毫をつけ、目鼻のハッキリした仏像に天蓋、透かし彫りの光背、左右には花瓶などを配し、両肩には彩色の獅噛座がある。鏡板裏面には「康永二年」(一三四三)の墨書銘があり、南北時代の基準作例として貴重である。
銅造千手観音懸仏は半肉彫りで合掌手、宝鉢手から台座まで一鋳の千手観音坐像を鋲止めにしている。光背は火焔様透かし彫り、天蓋と左右の花瓶は欠落している。両肩に獅噛座を具き、宝珠型の環台をつけるなど鎌倉末期〜南北朝時代作の特徴をよく示している。
銅造十一面観音懸仏は内外区の区別がなく、中央下部に台座一鋳の半肉彫りの十一面観音坐像をはりつける。上方に天蓋、左右に花瓶を配置、両肩には金銅毛彫りの花形座のついた釣金具がある。様式からいって鎌倉末期の作と推定される。
その他同神社には南北朝時代作と考えられる五面の御正体があり、一括しし、県指定重要文化財に指定されている。
▼銅造薬師如来懸仏
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▼銅造千手観音懸仏
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▲銅造十一面観音懸仏
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