教育福島0064号(1981年(S56)09月)-008page

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進路指導の充実

進路指導への取り組み

 

特集

 

はじめに

 

進路指導は、個々の生徒の能力・適性等の発見と開発を前提としつつ、生徒が自主的に進路の選択をし、やがて自己実現を達成していく可能性を導き出す教育活動であり、将来の生活における生き方の指導、援助である。

生徒が自らの意志と責任において進路を選択し、その希望の実現に必要な計画を立て、卒業時の就職や進学などの第一歩を希望実現の線に沿って、誤りなく踏み出せるようにするための適切な指導援助がすすめられ、更に卒業後の生活においても自己を開発し、社会的・職業的自己実現に努めるような態度・能力を身につけさせたいものである。

最近、人間性豊かな生徒の育成に果たす進路指導の重要性が認識され、指導上のさまざまな問題点も指摘されている。たしかに進路指導が、進学指導のみに終始し、本来あるべき、「生徒自らの生き方」についての指導がおろそかになっているのも事実である。

本稿は、このような問題点や課題の解決に取り組んできた研究校の実践の一端を紹介したものである。

各校の進路指導の充実に参考になれば幸いである。

 

泉崎村立

泉崎中学校

 

進路指導の重要性が強く叫ばれ、中学校新学習指導要領総則でも、「学校の教育活動全体を通じて、個々の生徒の能力・適性等の的確な把握に努め、その伸長を図るように指導するとともに、計画的・組織的に進路指導を行うようにすること」と明示されている。

また、進路指導は「将来の生活に駒いて自己を実現する能力・態度を育てる」ことであり、究極的には「どのように生きたらよいか」を考えさせる、「人間の生き方の指導である」ともいわれている。このような進路指導の理念を深く認識し、本校では、県教委より昭和五十五・五十六年度の二年間にわたり進路指導の研究指定を受けたのを機に、これまでの進路指導を見直し全体計画・各部門別計画の修正や改善・整備をするとともに、その実践に努めているところである。以下、本校の進路指導の一端を述べてみたい。

 

一 進路指導全体計画

 

望ましい進路指導を実践していくためには、適切な全体計画が整備されなければならない。本校の全体計画は、進路指導の全体構想や進路指導の系統を明らかにし、これを基本として作成したものである。

 

(一) 進路指導全体構想

 

進路指導は学校教育の全領域において日々行われるべきものであり、これを全体構想としてとらえ、構想図を作

 

進路指導全体構想図

 

 

 

 


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