教育福島0064号(1981年(S56)09月)-010page

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に増加している。また、発達段階に即した題材配列や学年間の系統等、十分考慮し、年間指導計画を立て指導している。

1) 授業における情報・資料の活用

授業では副読本(中学生活と進路)と併用し、生きた教材・資料として先輩からの手紙・アンケート調査・VTR等を活用している。また、生徒たちが進路センターに収集・整備されている資料から事前調査し、授業に活用するなど自主的な活動もみられるようになっている。

2) 進路学習ノートの活用

自己理解の深化をより効果的に進める手段として、全校生に進路学習ノートを活用させている。このねらいは生徒の進路学習がより効果的に展開することを期待するとともに、年間指導計画のもとに行われる進路学習のバックアップ的な役目を果たすためのものである。

中学校に入学と同時に、本格的に取り組む進路学習の記録や自己分析の資料、職業や高等学校等についての調査、三年生になっての進路選択までの累積された記録や資料を通して「自分を見つめ、反省して今後どのようにしたら、より深く自分を理解することができるか」等、意識的に学習するようになる。

また、一年生のときの進路発達や、職業観が二年生になってどう変化したか。更に、三年生になってどのように進歩したか。今後どのような進路学習が計画され実践されなければならないか。等、生徒・教師ともども、その方向性を把握することができる。

 

(二) 教科・道徳・学校行事等における関連指導

 

1) 基本的配慮事項

◎進路指導になんらかの関連を持つ指導事項は、教育課程の全般にわたっているが、なかでも密接に関連する内容を扱う社会・保体・技家及び道徳・学校行事においては、それぞれ本来の目標をめざしながらも進路指導とのかかわりを明確にとらえながら進める。

◎各教師は、学級指導をはじめとするすべての場面における進路指導の内容やこの関連指導計画(略)に示す「配慮事項」を把握し、相互の関連を考慮しながら発展的な指導となるように努める。

◎各教科の指導案作成に際しては、進路指導との関連を明示する。

 

(三) 進路相談

 

1) 進路相談の考え方

進路相談は、個々の生徒の悩みや現在抱いているさまざまな問題について教師が適切な助言・指導することによって、自己理解を深化し、更に進路に対する意識を高め、自己の進路希望実現のために努力しようという態度を育てようとするものである。本校においては、従来「教育相談の日」を設定してきたが、近年、進路指導の重要性が強調されるようになってきたことをふまえて、教育相談の一領域であり、学業相談、健康相談などの他領域とも密接に関連・融合している「進路相談」を前面に掲げることとした。それは、ややもすると進路指導を進学や就職への対策的な、また、三年生の担当教師によるサービス的な域にとどめることなく、進んで積極的に生徒に働きかけその進路発達を促進させるべく、学校の重要な教育活動のひとつであると考えたからである。

2) 定期進路相談の計画

年度当初から全校で組織的に実施するために、次の点に留意して定期進路相談予定表を作成し、実践に努めている。○相談の内容 ○相談の機会と場○相談の対象 ○相談の担当者 ○相談の手続き

3) 進路相談の実際

○学級指導との関連を図った進路相談の場合

学級指導における進路に関する学習が更に効果を発揮し、進路への関心の高揚、進路の明確化、適切な進路の選択へと発展させるために、学習の事前や事後に相談の機会をとり、集団的指導との関連を考慮し進めた。

例えば「相談の必要性や相談のし方」などは、集団指導で理解させておく必要があるし「進路選択の諸条件」を学習した後に「進路選択の反省」や「進路計画の再検討」などについて個別相談を行うことは効果的である。

4) 個人カードの活用

進路指導に限らず、教育活動全般の根底にあるものは、いかに生徒を理解するかである。特に進路相談においては、その実践化に努めることが大切であり、しかも、計画的・継続的でなければならない。その生徒理解の適切な資料が個人カードであるとの考えのもとに、これまでの生徒指導個票を工夫・改善し、活用を図っている。

 

(四) 父母の研修

進路指導をより効果的に進める上で父母の理解と協力が必要であることは

 

定期進路相談予定表

 

 

 

 


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