教育福島0068号(1982年(S57)01月)-005page

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新年を迎えて

 

量から質へ

 

福島県教育委員会教育長 邊見榮之助

 

福島県教育委員会教育長 邊見榮之助

 

新年おめでとうございます。

皆様にはご健勝にて新年を迎えられたことと存じます。

迎えました昭和五十七年は、干支でいう壬戌の歳にあたりますが、「犬も歩けば……」というような消極的に終わることなく、培った過去を糧として積極的に、また計画的に諸問題に対処して参りたいと考えております。

ところで、時の移り変わりとともに、教育の重要性にっきましては、それぞれの立場で強調されて参りましたが、厳しい内外の情勢の中で、逼迫した財政の建て直しを緊急に求められている今日、教育現場でご活躍をいただいている先生がたにとりましても、また教育行政の推進にあたる我々にとりましても、直面する課題は極めて重要なものがございます。

昭和五十七年度は、「ゆとりと充実」を内容とした新しい教育課程が、小・中学校に引き続き、高等学校でも実施される年にあたりますので、あらためて、小・中・高の一貫した教育実現のため、連携強化に伴う諸施策の具体化を検討してまいりたいと考えております。

また、幼児期から高齢期にいたるまで、広く各年代に応じた教育・学習活動の要求は、ますます多様化し、生涯教育の要請に応えることも緊急な課題の一つとなってきております。

このようなことを考えますと、今や教育は、量的拡大を志向するのではなく、量から質への転換期を迎えたと言っても過言ではないと思います。

二十一世紀に雄々しくはばたこうとしている、たくましい青少年の育成のためにも、また各層で励んでおられるかたがたの学習活動推進のためにも、より豊かな質的充実が図れますよう、皆様のご協力とご努力を期待いたしております。

最後に、皆様がたが、それぞれの立場におかれまして、ご健康でご活躍下さいますよう祈念いたしまして、新年のごあいさつといたします。

 

 

 


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