教育福島0068号(1982年(S57)01月)-012page
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研究論文特選
国語
到達基準を明確にした指示語の指導
郡山市立橘小学校教諭
渡部裕之
一 研究の趣旨
指示語の働きや使い方は、読解指導や作文指導等で重要な部分をしめていることは今さら言うまでもない。したがって、指示語の働きや使い方を正しく理解させることは、接続語と同様に文章の内容を正確に読み取る力を向上させるためにも、論理的に筋のとおった文章を書く力を向上させるためにも重要な指導内容であろう。
しかし、現実には、学習指導や学力診断検査等の結果から考えると指示語の働きや使い方が十分理解され定着されているとは言えないということがわかる。
そこで、指示語の指導は、どのようにしたらよいか研究に取り組んだ。
1 問題点
(1) 近称・中称・遠称・不定称などものを指し示す指示語の働きや使い方をよく理解していない。
(2) 特に、文脈の中における指示語が何を指し示しているかについての答えは、あいまいで誤答が多い。
(3) 作文の中などでも適切に指示語が使用されていない。
2 原因
(1) 指示語の指導の学年の発達段階に応じた具体的な指導計画がないこと。
(2) 各学年の指示語の指導において目標や到達基準が明確になっていないこと。
(3) 読解指導や作文指導等において、指示語の指導は、計画的意図的におこなわれず学習指導が単調かつ単発的思いつきになりがちであった。
二 研究の仮説
指示語について、学年の発達段階に応じた到達基準を明確にし、指示語の働きや使い方を<気付く>→<類型化>→<整理>→<定着・発展>の段階をふんで理解させ、練習作文や文章の読解で指導すれば、指示語の働きや使い方を高めることができるであろう。
(学年系統と到達基準資料1 具体的手だて資料2)
三 研究計画(省略)
四 研究の概要と考察
1 研究の経過
(1) 文献研究(省略)
(2) 学習指導要領における言語に関する事項について(一部省略)
指示語の働き(役割)と使い方については、大まかな表現であり、具体的な計画は、現場の研究にまかせられているのが現状である。
(3) 教科書教材(光村図書)について
1)指示語指導について教科書では、三年生において主語述語についての学習の中に少し指示語が出てくる程度であり、四年生ではじめて指示語「こそあどことば」の指導がでてくる。
2)指示語の頻度については、資料3の通りである。
ア 指示語の数は、五年生の教科書が六百五十八と一番多く、全体の約三
資料1 指示語指導の学年系統と到達基準(部分)
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