教育福島0069号(1982年(S57)02月)-025page

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な実践的研修が期待されるのである。

更に、特別教育活動の充実・改善を図るとともに、教師と生徒との人間的ふれ合いに基づく生徒理解を進め、望ましい人間形成を図るための生徒指導と、将来において、自己を正しく生かすことをめざした進路指導の一層の充実・強化に努力し、一人一人を生かす教育の推進に徹することが必要である。

 

国語

 

国語を的確に理解し、適切に表現する能力を身につけさせるため、学習指導の展開について一層の創意、工夫が必要である。その場合、言語の教育としての立場を大切にし、特に表現力を高めることを重視する。

 

一 国語の基礎的基本的な能力を身につけさせるよう努力する

 

(一) 漢字の読み書きや基礎的な言語事項の指導の徹底を図るため、適切な教材、方法を準備し、規則性と継続性を持つ学習を援助する。

(二) 言葉の力を養う指導の徹底を図るため、言葉の世界を正しく読みとる態度を身につけさせるとともに、必要に応じ言葉を正確に選んで表現することの指導を重視する。

(三) 辞書や必要な資料を十分活用できる習慣態度の養成に努める。

 

二 文章の正しい解釈、豊かな鑑賞の能力を身につけさせるよう努力する

 

(一) 生徒の読みにおける個性的なものを大切にしながら、より正しい読み、より深い読み、より価値の高い読みへ導き、より豊かな人間性を養うための指導を工夫する。

(二) 文学的教材の指導に当たっては、優れた表現を味わうとともに、文学的体験を通して生徒自らにその世界を感じとらせることを大切にする。

(三) 論理的教材の指導に当たっては、文脈、文章の正しい理解のうえに立って筆者の認識・思考の内容を的確にとらえさせることを大切にする。

(四) 古典の指導に当たっては、基本的な語句や語法の理解を図るとともに古典の世界を実感的に亨受させ、伝統的な言語文化に対する関心を一層深めさせることを大切にする。

(五) 将来に役立つ読書習慣を形成するための、適切な読書指導を進める。

 

三 表現力の向上を図り、正しく豊かな文章を書く能力を身につけさせるよう努力する

 

(一) 教材・方法を豊かに準備し、表現技術の向上を図るとともに、実際に作文書をく機会を多くする。なお、その評価、処理については、形式的にとどめないよう、一層工夫する。

(二) 書くために読ませ、読むために書かせるなど、表現の学習と理解の学習の有機的な関連を図って指導する。

 

四 教材内容の研究を深めるとともに効果的な指導法について研究し、実践する

 

(一) 教材の的確な、深い読みとりに努めるとともに、教える内容と学習させる内容を明らかにし、実際の授業でどのように取り扱うかという面での研究を深める。

(二) 常に固定的な指導過程にとどめないよう、生徒の実態、教材の質に応じた適切な指導法を工夫する。

(三) 教材の質によって、理知的にとらえる学習と感覚を通してとらえる学習、あるいは、精細に読みとる学習と概括的にとらえる学習を適切に組織する。

(四) 総合的な国語能力の育成を図るため、表現領域と理解領域、現代文と古典などのそれぞれを関連させた指導のあり方を工夫する。

(五) 言語の教育としての国語科の特性からみて、教師の話し、書く活動をより正しく、より豊かなものにするよう努める。

 

社会

 

五十七年度から「現代社会」が実施され社会科の教科構造も大きく変わることになるが、社会科は、人間と人間との関係、人間と自然との関係における諸問題について、科学的な知識と思考力を養うこと。更に、人間のあり方を思索し、これによって自分自身や現社会に関する諸課題に正しく対処する諸能力を養うなことなど、従来からの基本的性格は変わっていない。この基本的性格を、今回の改訂の越旨に即してよりよく生かすために、次の事項について努力することが望まれる。

 

一 指導計画の改善に努める

 

(一) 社会科の目標と各科目の目標や内容を的確に把握し、科目間の関連を図るとともに、地域や学校の実態、生徒の能力・適性・進路等を考慮しながら、弾力性の「ある指導計画の作成に努める。

(二) 中学校の学習内容との関連に十分留意し、社会生活の諸問題に対して正しく対処する能力・態度・習慣の育成等が中・高一貫してなされるようた指導計画の作成に努める。

(三) 生徒の学習到達の実態を踏まえて指導計画を常に点検し、その再構成

 

 

 


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