教育福島0069号(1982年(S57)02月)-035page

(二)　特殊学級にあっては、学級編制の方針を明確にし、学校経営の中に正しく位置つけ、学級の性格と実態に即した、適切な運営に努める。

(三)　福祉、医療等の関係機関との密接な連携を図り、障害児の全面発達を促進する学校・学級運営に努める。

　

二　適正な就学指導の推進を図る

　

(一)　校内の就学指導組織の活動の活発化を図るため、その組織を校務分掌に明確に位置づけ、年間活動計画を学校の全体計画の中に組み込み、就学指導の適正化に努める。

(二)　全職員の共通理解を深めることに努める。特に、特殊学級設置校では全教員の参加による養護教育に関する研修を、校内研修計画の中に企画するなど、特殊学級についての理解を広げることに努める。

(三)　校内就学指導組織と、市町村就学指導審議会その他の関係機関との連携の緊密化を図るとともに、就学又は入級後も、一人一人の教育効果を観察し、教育措置の変更を含めた慎重かつ適正な就学指導に努める。

(四)　児童生徒の障害の実態についての保護者の認識を深めることに努力するとともに、地域社会の障害に関する正しい理解を広げ、就学指導の円滑化に努める。

　

三　教育課程の適切な編成を図る

　

(一)　教育課程の改善充実のため、新学習指導要領の趣旨の徹底を図り、障害の状態並びに発達段階に即して、指導内容や形態に創意工夫し、適切な指導計画の作成に努める。

(二)　児童生徒の障害の種類、程度に応じて、学習目標や内容を個別に用意し、到達度や適応の仕方等を確かめて、指導をすすめられるような教育課程の編成に努める。

(三)　盲、聾、養護学校にあっては、高等部の教育課程の改訂実施年度に当たるので、小・中・高の一貫教育の視点から検討するなど、効果的な養護教育がすすめられるよう、全学部の教育課程の改善、充実に努める。

　

四　交流教育の推進と定着を図る

　

(一)　交流教育の趣旨の徹底を図り、相手校(特殊学級の場合は通常学級)の理解を深め、望ましい協力体制をつくることに努める。

(二)　児童生徒に交流教育の趣旨についての指導の徹底を図り、積極的に交流に参加する態度の育成に努める。

(三)　学校及び地域の実態に応じて、交流の方法を工夫し、学校の教育計画に正しく位置つけられた教育活動として、定着することに努める。

　

五　研修の組織化、体系化を図る

　

(一)　研修会、講習会等への参加を計画的にすすめるとともに、講習の内容や研修結果の普及と発展に努める。

(二)　校内の研修体制の充実を図り、校内研修の努力目標を設定し、研修の体系化に努めるとともに、研修計画を全体計画の中に位置づけ、組織的な研修活動の推進に努める。

(三)　研究指定校の研究や、最新の研究成果等を組織的にとり入れ、校内研修の効果的な推進に努める。

　

六　進路指導の充実を図る

　

(一)　進路指導計画は、卒業学年に偏らないよう、全学部、全学年にわたる計画を作り、社会参加を目指した系統的な指導の徹底に努める。

(二)　障害児が、自己の障害を理解し、困難を克服して進路を設計できるよう指導をすすめるとともに、進路に関する情報、資料を収集整理し、計画的な活用に努める。

(三)　就職の指導に当たっては、職業安定所、事業所等の関係機関と密接な連携をとるとともに、保護者の意見を反映した適切な指導に努める。

　

七　地域社会の啓発を図る

　

(一)　全職員の共通理解と協力のもとに地域社会並びに保護者の啓発に努める。

(二)　交流教育の計画、実施に当たっては、一般の保護者にも、障害児に対する正しい理解が得られるよう、相手校を通じて啓発に努める。

(三)　授業公開、学習発表会、作品展示会等を通じて、養護教育に対する地域の理解と協力を得ることに努める。

(四)　養護教育関係機関及び団体等と密接な協力関係を保ち、広報活動を活発にして地域社会の啓発に努める。

　

八　教育施設、設備の整備を図る

　

(一)　教育効果を高めるため、教育施設設備の充実を図るとともに、教育環境の適正な維持管理に努める。

(二)　火災等の事故防止の徹底を期し、関係機関と連携し、安全設備の適正な維持管理に努める。

　

〈各教科等指導の重点〉

　

一　適切な指導計画の作成を図る,

　

(一)　指導計画の作成に当たっては、小・中・高等学校の学習指導要領に留意した計画の作成に努める。

(二)　新学習指導要領の趣旨にそって、基礎的、基本的事項の指導を徹底するよう内容の精選を図るとともに、領域・教科を合わせた指導形態、教科別、領域別指導形態の適切な組み合わせ等、創意工夫を加えた指導計画の作成に努める。

(三)　一人一人の障害の種類、程度に応じて、学習の到達目標や内容の個別化を図り、常に、理解・習熟の度合い、適応状態を確かめながら、適切な指導計画の検討に努める。