教育福島0071号(1982年(S57)06月)-011page
(五) 「洗心」ノートによる自己変容と正しい生徒理解及び教育相談の充実以下、これら活動の経過のまとめの一端を述べてみたい。
七 学業指導
(一) ねらい
学業指導についての考え方は、一般的には学校における教育活動のすべてにおいてなされるものであるが、本校では、特に、教科指導の場と学級指導及び教育相談によって、自ら学ぶという積極的で意欲的な学習態度や学習習慣を形成すると同時に創造性を豊かにする開発的な指導を重視する方向で援助・指導をした。
援助・指導は、望ましい基本的な生活習慣・学習環境の形成を日常指導の中で、好ましい教師と生徒との人間関係を維持しながらすすめることに注意をはらった。
とりわけ次のことに留意した日常指導を試みた。
○友達がいるように。
○認められているという気持ちをもたせるように。
○少しずつよくなっていると思うように。
○やればできると思うように。
(二) 助け合い学習の充実をめざして
1)自己評価
学習意欲の喚起と学習習慣形成をめざして、生徒に、自己を見つめる習慣化を図るとともに自己の到達目標と到達度合による自己の変容を知る場を与えることをねらいとした自己評価を日常生活指導にとり入れ実践した。(表3)
表3 自己評価表
この評価の時期は、毎日の帰りの短学活の時間におこない土曜日には1週間の総反省をすることとした。
2)助け合い学習の心得
生徒一人一人が「助け合い学習」について、具体的な行動としてイメージ化し実践できるために、その内容と方法を(表4)の心得により各教室に常掲し、その啓蒙と毎時の授業をとおして定着と行動化を図ってきた。
表4 助け合い学習内容
1.始業の合図とともに、学習に取りかかろう。
2.先生に頼り切らず、自分たちでねらいを見つけ、計画的に学習しよう。
3.基礎となる独り学習をしっかりやろう。解決したこと、未解決の部分をはっきりさせておこう。
4.はっきりしないところはみんなに聞いて確かめよう。
5.聞き手や発言者の気持を害さないようにしよう。
6.みんなが発言できるよう譲り合い、助け合おう。
7.お互いに協力して、考えをまとめていく過程を大事にしよう。
8.集団の向上のために、みんなが伸びるように心がけ、努力しよう。
3) 以下、学習意欲の喚起と自学自習の充実をねらいとした全教科の学習の手引きの作成や、体験的な訓練として、話し合い活動のすすめ方では様式指導と同時に学級会、班長会、班会議等の具体的な活動場面で計画的に指導を行い、その変容を期待した。
八 学級経営
(一) ねらい
教師・生徒・生徒相互の心のふれ合いを求るとともに、望ましい基本的な生活習慣・行動様式の確立をねらいとして、学級を基盤とした小集団活動の活発化を図った。
とりわけ次のことに留意しながら日常指導を試みた。
○時と場に応じて、服装、言語、動作などを適切にし、礼儀作法を正しくできるように。
○生命を尊び、健康を増進し、安全の保持に努められるように。
○身のまわりを整とんし、環境を美しく清潔にできるように。
○ものや金銭を大事にし、じょうずに使えるように。
○時間を大切にし、きまりのある生活ができるように。
(二) 小集団活動の充実をめざして
1)小集団活動
学級における小集団の編成は、生活班を主体に学習班と結びつけ、それに奉仕係活動の役割分担を位置づけ、班活動とともに係り活動を組織し、学級・学年・生徒会との縦と横との関連活動内容とした。(表5)
2)リーダーの養成
小集団の志気にかかわるリーダーの養成は、○奉仕係リーダー講習○教科員リーダー講習○班活動リーダー講習とし、学年単位で、年数回、体験的な訓練の場として、具体的な活動場面を設定し、リーダーとしての役割や活動内容・計画等を理解させ活動内容の問題点や心構えを討議