教育福島0071号(1982年(S57)06月)-033page
ことについての基本的な学習を身つけるよい機会である。新婚、妊娠期のこれから親になる男女に対して家庭教育に関する学習の機会を地域において準備されることが望ましい。
四 運営の実際
1 学習計画の実践
1)方針
激動する社会の変化に伴い核家族の増加、出生児数の減少など家庭環境に変化を生じているとき、これから親になる若夫婦を対象に子供の教育と正しい家庭生活のあり方について理解を深める。
2)参加者
新婚、妊娠期のこれから親になる者と、未婚の男女、乳幼児教育に関心のある者とする。
3)開設場所と時間
大熊町公民館の主催事業とし、月一回、学習時間は二時間程度とする。
4)学習計画
年度当初に企画立案した学習計画について、親になる前に学習しておくことが、効果的と考えられる基本的な「家族」「両親」「子供」「社会環境」の四領域について検討し学習課題を設定した。
5)指導内容
助産婦荒 豊先生を講師に招き五回連続で、次の指導を受けた。
a出産と育児
・出産による母体死亡の減少と乳児死亡の増加
・母としての資格の欠如
・子育ての人任せ
・父母親として役割の自覚
b「よき親」となるには
・先ず男女の生理機能についてよく理解すること
・男子の生理について
精通現象とは
精通現象が起ると行動がどう変化するか
親離れは精通現象から始める
精通現象が表れた時の母親の在り方が大切である
c女性の機能について女性が一生の間に産む子どもが少ないと、母親としての時間に余裕ができこの時間の過ごし方が母親にとって大きな課題である。
・特に現代女性のライフサイクルについて戦前と比較検討し、これからの後期人生二十年余の生活設計こそ大切である。家族の生活環境が子供の生涯を左右すること、また、子供の特性を生かした家庭生活も大切である。
d家族計画と実践例
・家族計画とは、子どもを少なく産むことでなく、産み方を考え「よい子、望まれた祝福される子ども」を産むこと。計画的に産んでこそ幸福な家庭になる。
・健康で良い子どもを産むには妊娠から育児が始まる
・妊娠をさけるには
こんなときには、こんな方法で避妊薬の使い方と人工妊娠中絶
(障害について)
五 一年間の反省
1 参加者は乳幼児教育に関心をもつ学級生が多かったが、「知りたい」「聴きたい」「学びたい」という課題が多く勉強になった。
2 地域の実情を十分考慮して立案したが男性及び働く人たちの立場を考え夜間又は休日に開設してという声があった。
3 広報活動、町衛生係、病院、保健所等関係機関との連絡を密にして進めることが必要であると反省している。反面、学級生から喜ばれた学級であったと思う。
(前町社会教育指導員 志賀敏男)
栄養のある食卓を
乳幼児と親との浜遊び