教育福島0071号(1982年(S57)06月)-032page

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まちからむらからこんにちは

 

明日の親のための学級運営

 

大熊町教育委員会

 

一 はじめに

 

昭和三十九年、高度経済成長の中で家庭教育の重要性を考え家庭教育学級を開設。続いて十年後、昭和四十九年から乳幼児を持つ親を対象に、「乳幼児家庭教育学級」を開設し活動を続けてきたが、昨年度七月から新婚、妊娠期のこれから親になる者、未婚者、乳幼児教育に関心のある者を対象とした「明日の親のための学級」を開設した。

 

二 学級運営の反省

 

1 集める学習から集まる学習へと学習内容の充実をはかり魅力ある学級づくりに努める。

2 学級の組織を充実し、自主的にやる組織づくりを進める。

3 学習ノート(別名社会教育ノート)を最大限に活用できるように工夫する。

右の反省に立ち、学級の年間学習計画を作成したが、特に現代社会での家庭環境の激しい変化の中で家庭教育内容の充実こそ重要であると考えた。

そこで、相双教育事務所の先生から「乳幼児教育についての親の学習は、子どもの生まれる前の婚前期新婚期あるいは妊娠期などから準備を行うことが望ましい」との指導を受け公民館職員と研究協議の結果、その趣旨を体して「明日の親のための学級」を開設することになった。

 

三 明日の親のための学級

 

1 趣旨

新婚、妊娠期のこれから親になる男女を対象として、家族と両親の在り方、子供の心身の成長等についての家庭教育に関する学習の機会を提供する。

2 重要性

1)家庭環境

現代の家族は、都市化が進行する中で核家族の増加、出生児数の減少など家庭環境に変化が生じている。

核家族化により、育児や子供のしつけについて、育児書等による情報は得られるものの、親や近親者、近隣の人びとから、家庭をもつこと、親になることについて学ぶ機会が少なくなっている。

また、核家族化により親になるもの自身が、少ない兄弟姉妹関係の中で育つため、親の子育ての姿を見たり、自ら乳幼児に接した経験を十分もっていない、こうした家庭環境の変化に対処し、新婚、妊娠期のこれから親になる男女に、新たに具体的実践的な学習の機会を準備する必要がある。

2)家庭教育

乳幼児期は人格形成の基礎が定まる重要な時期といわれており、子供の教育に果たす役割はきわめて大きい。乳幼期の家庭教育は親になる前から準備的に子供についての知識技術態度に関する学習をすることが望ましい。このことは乳幼児学級の学級生の中にも親になる前からの学習が効果的であるという意見もあり、これから親になる男女の学習を社会教育活動の側面から充実する必要がある。

3)学習の適時性

新婚、妊娠期のこれから親になる男女にとって、この時期は人生計画、家庭設計、生涯を通しての人間の発達等家族をつくり親になる

 

学級生のみなさん

学級生のみなさん

 

 

 


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