教育福島0075号(1982年(S57)10月)-059page

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県指定史跡

 

鴨山城跡

 

所在地 南会津郡田島町大字田島字根小屋・字愛宕山地内

所有者 細 井 新次郎

面積 227,536.73平方メートル

 

上杉とくに上杉氏により大規模な築営が行われて完成をみたと推定される。

 

上杉とくに上杉氏により大規模な築営が行われて完成をみたと推定される。

 

鴫山城は、田島町の市街南郊の愛宕山(標高七四九メートル・比高二〇〇メートル)の頂上から北斜面と麓にかけて構築された根小屋式の山城である。築城の時期は、南北朝から室町期にまず長沼氏の山城として築かれ、ついで戦国末期までに長沼氏の手で根小屋に一定の構築がなされた。しかし、基本的には蒲生・上杉とくに上杉氏により大規模な築営が行われて完成をみたと推定される。

城の構えば、山頂から山腹にかけて籠城を目的として構えられた当初の鴫山城で「詰の城」と呼ばれるべき山城、麓にかけての「内城」あるいは「内郭」とよばれるべき城主居館(本丸に相当)、麓の「根小屋」あるいは「外郭」と呼ばるべき侍屋敷の三つの部分によって構成されている。

現在、外郭(根小屋)の北部に住宅化が進行しつつあるのを除いて、全体的に遺構の保存は良好であり、戦国期から近世城郭完成期への過渡的な山城形態を示すきわめて貴重な史跡である。

 

 

 


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