教育福島0076号(1982年(S57)11月)-017page

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本年度の掛金は、前年と同様の一〇〇〇分の五二となっている。

また、このほか新法施行日(昭和三十七年十二月一日)前の恩給法等の適用期間にかかる地方公共団体が全額負担する追加費用がある。

(二) 昭和五十六年度の収支状況

昭和五十六年度の福島支部における収入状況は、図1のとおりである。総収入は百五十四億三千八百四十四万六千円で、前年に比べると十一億三千二万四千円増となっている。支部ではこの全額を本部へ回送した。

なお、本部では、各支部からの回送金を組合員の将来における長期給付の給付に充てるための責任準備金として積み立てを行うほか、地方債への運用住宅・宿泊施設などの建設、或いは住宅資金など貸付金に充てるなど、その効率的運用が図られている。

(三) 昭和五十六年度の給付状況

昭和五十六年度に本部において支給した当支部関係の年金の給付状況は、表12のとおりであり、年金受給者は七千四百六十八人、給付総額百三十九億七千二百二十三万五千で、前年に比べると受給者において六百三十八人、給付額で二十億四千七百十一万九千円の増となっている。この大幅な増加の要因は、退職者数の増加に伴う年金受給者の増加と、公務員給与のベース・アップに準じて毎年実施されている年金額の増額改定措置によるところが大きい。

また、退職年金の一人当たり平均年金額は二百四万四千円で前年に比べ十三万円、六・八パーセントの増となっている。

(四) 昭和五十七年度の改善状況

昭和五十七年度の年金の額の改定等に関する法律の一部を改正する法律が本年八月七日、法律第七二号でもって公布された。

今回の主な改正事項は、次のとおりである。

1) 既裁定年金の年金額の引上げ恩給における措置にならい、年金額が本年五月分から平均五パーセント引上げられた。

2) 退職年金等の最低保障額の引上げ。

3) 掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額の引上げ四四〇、○○○円に引き上げられる。

 

四 共済年金制度改革の動き

 

高齢化社会の到来と経済の低成長時代を迎え、社会保障の一環をなす公的年金について、そのあり方が論議され共済年金等に関して幾つかの意見が現われている。

本年七月十四日には、共済年金制度問題研究会が意見書を提出し、同月二十三日には社会保障長期展望懇談会が「社会保障の展望」という提言の中でまた、同月三十日には第二次臨時行政調査会の基本答申の中で、それぞれ共済年金に触れでいる。

第二臨調は、社会保障の部分で年金制度の一元化の方向を示し、段階的な統合に関連して、当面、国鉄共済年金が近い将来に財政的な危機を迎えるのを配慮し、類似している制度と、統合させる意見を示している。

社保長期懇は、共済年金の統合を明確には示していないが、共済年金への当面の対策としては、共済年金が公的年金部分と企業年金部分を分離し、公的年金としての給付水準を厚生年金と揃えるべきだとしている。

共済年金研の意見は、当面の緊急対策として三年後に財政が破綻する国鉄共済年金を救済するため、国鉄、電々専売の三公社と国家公務員の四共済年金を、昭和五十九年度中に合併するよら提言し、また、長期的対策として、共済年金全体について将来の厳しい財政的な予測を踏え、共済年金の財政危機を避けるため保険料の引き上げ給付水準の引き下げ、或いは支給開始年齢の繰り下げなどが必要であり、直ちに検討に着手し、可能なものから早急に改革をすべきであるとの指摘を行っている。

いずれにしても、共済年金制度は近い将来抜本的な改革が予測されているところであり、共済牢金は退職者のみならず、将来、年金受給者となる組合員にとって、将来の老後の生活に直接かかわってくる問題であり、今後、共済年金制度改革の動向を重視していく必要がある。

 

図1.昭和56年度長期経理状況

(福島支部関係)

表12. 昭和56年度退職年金支給状況

 

表12. 昭和56年度退職年金支給状況

表12. 昭和56年度退職年金支給状況

 

 

 

 


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