教育福島0076号(1982年(S57)11月)-037page

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知っておきたい教育法令

 

職員会議 (養護教育課主任管理主事兼振興係長 後藤 真太郎)

 

一 職員会議の機能

 

職員会議を機能的にみると主に次のようなものがあげられる。

(一) 意思の伝達と連絡調整の機能

これは、校長の決定、判断、方針等を職員に伝達することや、各職員の担当している仕事や受けてきた研修の報告、情報交換、諸行事の調整等の機能である。

校長の意思を伝達する場合、その内容によっては職員会議の席上詳細に説明をする必要がある場合もあろうし、また、教頭、教務主任、学年主任等を通じて、伝達しても足りる場合もあろう。

要は伝達事項を職員に周知徹底することが重要であるので、伝達事項の内容等を考慮して適切な方法を選択し、効率化を図る必要がある。

また、連絡調整についてであるが、学校運営に当たっては常に統一のある運営を行うことが大切で、職員が職務に専念する場合でも、その学校の職員として統一ある活動が要請される。従って、そのための連絡調整が必要となるのである。しかし、連絡調整の内容によっては必ずしも職員会議によらなくとも済む場合もあろうし、校務執行上、効果的な機能達成を図る必要がある。

(二) 校務執行補助としての機能

校長は学校経営の方針や教育目標を設定したり、その他重要事項を決定するに当たり、職員の意見を聞くため、職員会議にはかることができる。これは、校長が職務権限の執行に当たり職員の意見を聞くことによって、校長の意思決定を一層適正なものにするためのものである。

また、校長が職員の意見を聞く場合職員会議によることができるのはもちろんであるが、この機能を果たす機関は、職員会議とは限らず、校務分掌組織の中の委員会等の意見を聞けば足りる場合もある。従って、諮問の内容によって職員の意見をどうまとめるか考慮する必要がある。

 

二 職員会議の法的性格

 

ところで、職員会議の法的性格については法令上の明文の根拠規定はないが、「学校教育法」第二八条第三項「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」という規定から、職員会議の権限や運営等については、校長のつかさどるべき校務の一つとして校長にゆだねられているといってよい。即ち、校長は校務をつかさどるに当たって、必要があれば職員会議を招集することができ、その意味では、職員会議は校長の校務執行上の補助機関であるといえる。

職員会議は学校の意思決定機関であるとの主張がある。しかし、校務執行上の最終的な意思決定者は、「校務をつかさどる」校長であるので、校務に関して職員会議を法的拘束力をもつ学校の意思決定機関と解することはできないのである。

職員会議に関する規定は、本県では「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第三十三条一項の規定に基づき、各市町村教育委員会の管理規則では、「校長は、重要な事項を処理するに当たっては、職員会に諮問しなければならない」と定め、県立学校にあっては、県教育委員会規則で「校長は、重要と認める事項の処理にあたっては、その所属職員をもって構成する会議に諮問するものとする」と定められている。また、招集と主宰については、校長が行うことと定められている。

以上のことから職員会議は、校長の意思決定をより適正にするためにあるのであり、校長の諮問事項について職員が意見を述べて校長の意思決定に参画するなど、校長の校務執行上の補助機関なのである。

 

三 おわりに

 

職員会議は学校運営上重要なものであるので、その機能や法的性格をふまえ、学校の実態に即した適切な運営が必要である。更に、勤務時間との関係では、「福島県義務教育諸学校等の教育職員の給与等の特別措置に関する条例」第七条によって、臨時又は緊急にやむを得ない必要があるときに限り、時間外勤務を命じて職員会議を行うことができるとされ、原則として時間外勤務は命じないものとされている。

 

 

 


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