教育福島0078号(1983年(S58)01月)-046page
ふるさと探訪
重要文化財 (建造物)
天鏡閣 三棟
本館・別館・表門
天鏡閣は、明治四十一年(一九〇八)春、有栖川家の別邸として建設され、同年八月に竣工したものである。その後高松宮家別邸として引継がれ、昭和二十七年、高松宮家より福島県に寄贈された。
本館はヨーロッパルネッサンス様式をとり入れて、おそらく木造でつくり出せる洋風の限界に近い建築である。二階建、八角塔屋付、西側に玄関ポーチを構えた、気品のある洗練された意匠を持つ建造物である。内外とも改造が少なく、よく保存されてきた。従業員用の別館や表門もほぼ同時期のものである。
昭和五十四年二月三日、国の重要文化財に指定されるとともに、本格的復原工事がおこなわれ、昭和五十七年九月三十日に完成した。
所在地 耶麻郡猪苗代町大字翁沢字御殿山一、〇四八の一四
所有者 福島県