教育福島0079号(1983年(S58)02月)-019page

個性・能力が伸長されるよう指導法を工夫する

　

(一)　生徒の感受性、表現方法の独自性を大切にして、生徒が自信を持って主体的な表現活動を進めることができるよう、援助の仕方を工夫する。

(二)　目的や主題を明確にさせるとともに、既習の内容を生かし、計画的に表現が追求できるよう、構想を明確にさせる指導を重視する。

　

家庭、技術・家庭

　

小　学　校

　

家庭科は、実践的な活動を通して衣食住などに関する知識と技能を習得させるとともに、家庭生活への理解を深め、生活上の課題を解決する実践的な能力や態度を育てることをねらいとしている。また、生活の仕方を学ぶこの教科は児童の人格形成に果たす役割も大きいといえる。即ち、実践的・体験的な学習を行う教科としての性格を踏まえ、次の諸点に留意して指導するようにする。

　

一　家庭科の特質を踏まえた指導ができるよう指導計画を改善する

　

(一)　前年度の指導の反省を生かすとともに、学習指導要領の研究を更に深め、各領域の目標、内容などを明確に把握し、地域、学校及び児童の実態に応じ、教師の創意を生かした指導計画に改善する。

(二)　題材の構成に当たっては、地域の実態や、学校の持つ諸条件、児童の生活経験などを把握し、それらを指導の目標や内容に反映させ、指導の重点を明確にする。

(三)　題材の配列に当たっては、知識と技能の系統性や発展性を踏まえるとともに、季節や地域や学校行事との関連を考慮する。

(四)　「住居と家族」の領域について、更に研究を深めるとともに、被服や食物領域においても改訂された指導事項については、児童や地域の実態に即して指導内容について実践的に研究し、指導時数の適切な配当に努める。

(五)　指導に当たっては、消費者としての基礎的な知識・理解にも配慮し、物を大切にする心構えや有効に活用する態度を育てるようにする。

　

二　実践的な態度を育成するための指導法について工夫ずる

　

(一)　児童の実態を尊重して、主体的な学習ができるよう指導過程を組織する。(二)　実験・実習を効果的に取り入れた学習活動が展開されるよう具体的な題材に即して研究する。

　

三　施設・設備を計画的に整備し、その活用を図る

　

(一)　実習等の学習が効果的にできるように実習器具・標本等の整備に努め安全に学習が進められるように配慮する。

(二)　小学校教材基準(家庭科)に基づいて、整備充実を努めるとともに、効果的な活用を図る。

　

四　適切な評価の工夫に努める

　

(一)　知識・理解、技能、家庭生活に対する関心・態度の観点から調和のとれた適切な評価を行うように努める

(二)　児童の自己評価、相互評価についても工夫し、児童自らが問題点に気づき、学習が効果的にすすめられるようにする。

　

中　学　校

　

技術・家庭科においては、生活に必要な技術を習得させ、それを通して家庭や社会における生活と技術との関係を理解させるとともに、工夫し創造する能力を育てることを基本的なねらいとしている。

このような教科のねらいを踏まえ、次の諸点に留意して指導する。

　

一　実践的な態度の育成をめざし、基礎的・基本的な知識、技能の習得ができるよう指導計画を改善する

　

(一)　学習指導要領に示されている目標及び内容を的確に把握し、実践的・体験的な活動を中心とする三か年を見通した指導計画を作成する。

(二)　領域の選定に当たっては、地域や学校の実態はもとより、生徒の心身の発達の状況、既習の知識や技能、生活経験等についても十分に配慮するとともに、目標達成に適した題材を設定し、その配列に工夫する。

(三)　題材及び単位時間の目標を的確に設定し、指導の範囲や程度も明確にする。

(四)　小学校及び他教科との関連を図り指導内容を系統的、発展的に学習できるようにする。

　

二　理解、思考、実践の三つの活動を相互関連させ、教材を構造的にとらえた指導法を工夫する

　

(一)　指導内容は、基本的な内容と、周辺的・参考的内容のように体系的にとらえ、基本的内容を重点として精選を図るとともに、教材の構造化を進める。

(二)　授業では、思考活動を通して理解