教育福島0082号(1983年(S58)07月)-033page

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いる。

これに対して女子の低学力者の数学で若干減り、英語で若干増えた。しかし、国語、社会、理科などでは減少し、努力しているといえそうである。ここで、入試で二十一点未満だった者で、学年末に四十五点以上(「三」の評定)に向上した者が、数学で男女計十二名(三十%)英語で十名(二十三%)いたが、他は相変らず低迷している。

入試得点が、二十一点以上だったのに、学年末で四十点以下に低下した生徒(数学十九名、英語二十二名)と共に、今後の指導が待たれるところである。 (図1・図2)

 

図1

・四十点以下の生徒数

 

・四十点以下の生徒数

(入学者選抜学力検査では得点×2)

 

図2

(五) 学習指導法改善のための研究

 

(五) 学習指導法改善のための研究

 

ア経過

本校生の実態(多方面から調査し分析したがここでは省略)に対応して、それぞれの生徒の目的を達成させることの急務から、昭和五十六年度末近く、教務部に「学力向上対策小委員会」が設置され、各種の調査分析、学習指導法の改善策、教務上からみたその実施の見通し等が研究された。そして、昭和五十七年度には、特別委員会の「学力向上対策委員会」が設置され、十数回に及ぶ委員会並びに職員室で、対策が討議された。

イ内容と方法

昭和五十八年度からは、数学、英語の二教科について習熟度別学習を実施する。また他の教科においてもそれぞれ指導上の工夫を重ねる。

 

○英語の場合

(昭和五十七年度入学生)

○数学の場合

 

○数学の場合

(昭和五十八年度入学生)

別意識の生じないように留意し、組替え(講座替え)は原則として行わない。

 

尚、講座編成にあたっては、生徒の希望を主とし、学級担任・教科担任の助言指導を加味する。また差別意識の生じないように留意し、組替え(講座替え)は原則として行わない。

(六)個別指導の強化

本校の教育過程では、二学年より文系、理系の二コースに分かれ、科目の選択も行われる。さらに新たに習熟度別学習が導入されたのであるが、これまでより一層個別指導を充実させた。

ア 教科・科目・講座・コース等の選択決定にあたっての、適切なガイダンス

イ 生徒の学習目的、特別活動、教師友人、親との関係、身体的欠陥、病気等について、問題や悩みの有無のチェックと適切な助言

ウ 個別指導をとおし、教師の学習指導の進め方への工夫改善

エ 保護者との面談

 

四 反 省

 

研究初年度ということもあって、その大半を研究方法の模索に費やしたきらいがある。また、初年度のねらいが生活の実態を調査し、追跡分析することにあったため、具体的、組織的に低学力者に対し、効果的と思える処置を施すまでに至らないまま終ってしまつたっしかし、職員間に「現状のままではいけない、何か手を打たなければ」という点で共通理解が得られたのはよかった。

 

五 おわりに今後の課題として、

 

(一) 基礎学力の追跡及び調査の継続

 

(二)習熟度別学習の実施、及び各教科の学習内容や学習指導法の工夫改善による学習の実施

 

(三) 個別ガイダンスの充実

 

(四) 研究報告のまとめなどを行っていく計画である。

 

(教頭 大谷安亀)

 

 

 


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