教育福島0083号(1983年(S58)08月)-043page

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は、テレビと学習、子どもの小遣いについてなど身近かな話題を事前に設定し、父母が話し合いの役割を分担し合って、教師と何でも話し合える雰囲気を目ざして進めております。出席率はいいのですが、本音を出し合ったり、連帯感をもって実行したりする面ではもう一息の感じがします。

二つめは、親子の絆を深めるための親子運動会や学年PTA活動などがあります。

親子運動会は、各学年毎に一種目ずつ親子で仲良く演技する機会を設け、親子の心の触れ合いの中で地域を挙げて楽しい一日を過ごすことにしています。夏の庭に校庭で行われる親子盆踊りもその一つです。

学年PTA活動は、学年に応じて、もちつき大会、凧作りと凧あげ大会、芋煮会、球技大会、さつまいも栽培などを月曜日に実施していますが、子どもと親と教師が共に汗を流し、語らい、楽しむ中で、お互いの絆を深め合っております。

三つめは、親と教師が肩を張らない対話をとおして理解し合う機会を設けています。

教養部主催の「何でも語ろう会」は年三回、学校で夜に開き、父母と教師が自由に参加して進めます。自由な雰囲気の中で、子どもの展などについて腹蔵ない話し合いをしていますが、出席者を増すことや形式を工夫することなどが今後の課題といえます。

また、区長さんを中心に地域を広げて参加する部落懇談会は、小中高校までの児童生徒の健全育成について熱心な話し合いがなされます。地域での児童生徒の実態や学校への厳しい要望なども話題になり、児童生徒の健全育成のために、地域が一体となって取り組もうとする意識が高まってきております。

四つめは、学校と家庭のかけ橋としての学年・学級通信と家庭訪問があります。

学校と家庭との直接の結びつきは、学年又は学級であることを認識し、学年や学級の通信をまめに発行することを心がけています。学習や行事予定のみでなく、児童の学校での生活状況なども含め、また、児童や父母にも原稿執筆や筆耕をとおした参加を求めた学級通信を、ほとんど毎月発行している学級担任もあり、父母からも好評を得ております。

また、私たちは、忙しさにかまけて大事なことについてもつい電話で済ましてしまう傾向がありますが、父母が足を運ぶのを待つだけでなく、教師から家庭に足を運び話し合うことが、お互いの意思の疎通をはかり、信頼関係を深める上で大切なことのようです。

以上、学校と家庭の連携を意図した実践例について述べましたが、これらはどこの学校でも実践されているごくありふれた手だてだろうと思います。しかし、このありふれた手だてこそ、私達が日々大事にし、地道に継続していくべき方途であると信じています。

未来をたくましく生き抜く児童を育成するために、学校と家庭が常によき協力者としての機能を充分に発揮できるよう、私は、あたりまえのことをあたりまえのこととして実践していく努力を、今後も重ねていきたいと考えております。

 

「地域における少年団体等の

育成活動はどうあればよいか」

大熊町剣道スポーツ少年団

師範 井戸川 清隆

 

一、私のあづかっている少年団の現況

 

一、私のあづかっている少年団の現況

大熊町剣道スポーツ少年団が結成されたのは、昭和五十一年であります。

定年を迎え社会に恩返しするにはといろいろ考えたすえ、公民館と相談し剣道教室を開設した次第です。当初は三五名の応募者でしたが、現在は小学生から中学生までの九二名を教えるようになりました。

指導者は四名で運営しています。この少年団は、剣道教室と名づけて誕生したことでおわかりの通り、技術の向上よりも虚弱体質の鍛練と躾けに重点をおきました。現在でも基本的には変わっておりません。

子供をあづかる時、保護者にききます。「私はあなたの子供を教育する方法として、竹刀をつかうがそれでよいか」と。

最初に子供たちと約束をかわしますまづあいさつ、それに他人に迷惑をかけるな、そのためにはこれこれのことを守ることを。

子供たちとの約束を実行するため、予定の時刻より三〇分前に行って待ち子供が全部帰ったのを確認して帰ることにしています。

指導には妥協迎合はせず、約束を破ったときは、保護者の目前で容赦なく竹刀がとびます。これだけですといかにもシゴキをかけているようですが、けいこのあと子供たちと話合いの時間をもち、親御さんにも参加してもらいます。夏休み中の合宿訓練、春秋の野外活動の外、適時に和合の機会をもつことにしております。

大熊町には現在剣道スポーツ少年団のほか五つほどのスポーツ少年団がありますが、そのうちで剣道スポーツ少

 

 

 


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