教育福島0084号(1983年(S58)09月)-038page
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うに工夫する必要がある。
三 学校と家庭との連携の問題点
(一) 生徒の問題行動に対するとらえ方について
学校と家庭の問題行動の受けとめ方であるが、戦後、昭和五十年代は、非行の第三の波といわれている。問題行動の件数、内容等についてマスメディアは、大きくスペースをさいて報道している。しかし、非行生徒や非行に結びつくと予想される要因をもつ生徒を指導していて感ずることは、家庭の中には、報道された問題行動をブラウン管の向こう側の問題としてしかとらえない傾向があるように思える場面にぶつつかることがある。
確かに、報道されるような突出した問題行動そのものは、身近な出来事ではない。しかし、大きな問題を惹起した青少年の心をくみ取る努力をすることは、同世代の"わが子"を理解する手がかりともなり、それまで気付かなかったことの発見にもつながることになる。
具体的には、見過ごしていた"わが子"の生活態度、交遊関係、服装や容姿といったごく日常的なことに注意し関心をもつようになることである。
次に学校=教師の受けとめ方についてであるが、ひとりの生徒について、教師の目にふれることには、限界がある。つまり学校生活での生徒の姿しか目にはいらない。教師は、自分の目の前の行動をもってその生徒の全体像と思い込む過ちをおかすことになる。特に問題行動については、教師は敏感であり、その行動から教師の主観によって生徒をとらえることがある。
生徒指導は問題行動が解消すれば指導の目的を達したとする考え方に陥りやすく、指導の方法、内容も対症療法的指導に終わってしまうことになる。
教師は、家庭との連絡を密にして、一面的に生徒を判断せず、問題行動の底にうっ積されたエネルギーを感じとることにつとめ、生徒が積極的行動に向かうように覚醒させる継続的指導が必要である。
(二) 学校の役割と家庭の役割について
小学生の父母と比較すると高校生の父母は学校行動への参加意欲が低調なのが実態だが、それは高校生自身にかかわる問題に対する学校の影響力が大きいことに起因している。
しかし、核家族化、道徳規範の多様化の中で、"しつけは学校で"という要請が高校生についても生徒指導の中で重要な事項になっている。
本校でも今年度の生徒指導の努力目標として新たに「基本的生活習慣を身につけさせること」をつけ加えた。長期休業中の生活指導、放課後の校外指導、交通安全街頭指導、列車内補導は学校の年間指導計画としでばかりでなく地域社会全体が取り組まねばならぬ課題となっている現状である。
このような状況の中で、学校と家庭の連携は、双方の基本的役割を明確にした上で協力していかねばならない。学校と家庭の役割を分業化するのではなく生徒の全生活領域について学校と家庭で現在、何をしているのか、何ができるのかを確かめ合うことである。
四 今後の課題
「学校やPTA活動に、親は何を望んでいるか」の調査結果は、次のようなものである。
(一) 学校側で、学校の方針や内容を機会あるごとによくわかりやすく説明してもらいたい。
(二) 学級懇談会の話し合いを多くしてもらいたい。
(三) PTAの会合には、先生方も積極的に参加してもらいたい。
(四) 親は、PTAの会合にすすんで参加する。
(五) 教師と親が、もっと気安く話し合える機会をもつようにする。
この調査による父母の要権に添って最初に指摘した視点と学校と家庭との連携のもとに実践、強化するための課題を次に上げる。
(一) 学校教育方針の具現化と広報
(二) 父母の参加する行事の効果的なもち方の再検討
(三) 生徒理解のための詳細な情報交換
(四) 教育相談に関する教師の研修の充実
「浪江町における青少年行政の今日にりいて」
浪江町住民課
課長 松村 四郎
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はじめに
浪江町は、人口二万三千、面積約二二三キロメートル、太平洋から、阿武隈山地へかけて、東西に広がる町であります。町内には浪江警察署があり、同署管内には、浪江、双葉の二つの高校があります。
昭和五十六年度の少年非行による検挙件数は、一一六件であり、前年、前々年度と比べて、やや増加の傾向を示してきました。
町当局といたしましても、この状況を打開するため、浪江町青少年問題協議会等に諮り、対策を協議して参りましたが、決定的な法策を見出すには至らず、今日に至っているところであります。
一 関係各機関、組織間の連携
昭和五十七四月、浪江町青少年問題
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