教育福島0085号(1983年(S58)10月)-050page
知っておきたい教育法令
養護教育の対象となる障害と程度
(養護教育課主任管理主事 小松忠夫)
一 はじめに
養護学校教育の義務制施行以来、養護学校の適正配置をはじめとして訪問教育の充実など養護教育の推進が図られ、就学義務の猶予免除者の数も減少し、養護教育の機会拡充がなされてきた。一方、心身障害児の就学について、一般的認識はまだ十分とは言えない。以下、小・中学校に関し関係法令に照らして、その障害と程度により、児童・生徒がどのような教育措置を受けるのが適切であるかなどを説明する。
二 障害と教育措置
学校教育法第二二条、第三九条には、保護者がその子女を小学校及び中学校又は盲・聾・養護学校の小学部及び中学部に就学させる義務を負うと規定されており、これを受けて学校教育法施行令(以下施行令という)では、市町村教育委員会は、就学予定者の中の心身障害者の氏名を都道府県教育委員会に通知し(施行令第一一条)、都道府県教育委員会は、保護者に対して、盲・聾・養護学校への入学を通知しなければならない(施行令第一四条)と定めている。
具体的には、施行令第二二条の二及び「教育上特別な取扱いを要する児童生徒の教育措置について」 (文部省初中局長通達)を基準として、下表のとおり、
○盲・聾・養護学校就学が適切か
○特殊学級入級が適切か
○通常の学級での配慮した教育がよいか
○訪問教育の必要があるか
など、障害の種類と程度に応じた適正な教育措置が図られている。心身障害児の障害が多様化し、重度重複化している現在、これに対するきめ細やかな教育と適正な教育措置が望まれており、障害の程度の判断と適切な就学指導を進めるため、福島県では、専門医・教職員・福祉関係者による市町村心身障害児就学指導審議会と県心身障害児就学指導会議が設置され、就学指導が推進されている。
学校教育法施行令第22条の2による判断基準と教育措置