教育福島0087号(1983年(S58)12月)-016page
六 民俗文化財調査
猪苗代湖周辺の民俗文化財(漁業、信仰を中心に)全般について昭和五十八年度から二か年継続で調査し、報告書を刊行する。
昭和五十八年度 猪苗代湖南岸地区
昭和五十九年度 猪苗代湖北岸地区
七 「福島県の指定文化財」(要録)の作成
県指定文化財の指定内容等を集録、解説した「福島県の指定文化財」(要録)を、昭和五十八年度から三か年継続で作成する。
○昭和五十八・五十九年度
原稿整理・写真撮影
○昭和六十年度 刊行
八 文化財保護指導者講習会
文化財に関する知識の普及と愛護精神の高揚を図ることを目的として次のとおり開催した。
○日時 昭和58年7月28〜29日
○会場 福島県文化センター
○講義及び講師
「縄文時代の用具と生活」
−実験考古学的立場から−
元宮城教育大学講師
実験考古学者 楠本 政助
「文化財保護の課題と施策について」
福島県教育庁文化課長
大塚 和美
「仏像調査の方法と実際」
東京国立博物館企画課長
佐藤 照夫
○分科会(研究協議事例発表)
「市町村における文化財指定の実態と問題点」
福島市教育委員会主事
柴田 俊彰
「埋蔵文化財分布調査の実際と問題点」
滝根町町史編纂室 先崎 忠衛
○現地研修 福島市民家園など
九 第四回福島県民謡まつり
近年の急速な社会情勢の変化は、生活様式や風俗慣習など、大きな変化をもたらしている。それだけに生活や仕事に密着して伝承されてきた民謡も変化をとげ、古来の姿を日ごとに失いつつある。
これらの民謡を発掘して、一般に公開し、文化財としての価値の認識を深めるとともに、記録保存を図り、将来に伝えることを目的として開催しているが、本年度は九月十八日白河市民会館で開催された。今回は仕事歌を中心とし、昭和十一年から途絶えていた「ダイモチ引き木遣り」や、伝承者が一人だけという「山唄」など十六曲が公開された。
公開された演目は、次のとおりである。
1 浅川盆踊 浅川町
2 県南松坂 棚倉町
3 白河道中大津絵 白河市
4 籾どり唄 白河市
5 牛追い唄 昭和村
6 白河馬喰節 白河市
7 杭打ち唄 白河市
8 ダイモチ引き木遣り 昭和村
9 山唄 福島市
10 草刈り唄 いわき市
11 ハッパ節 いわき市
12 常磐炭坑節 いわき市
13 トロッコバッタン いわき市
14 山木屋盆踊 川俣町
15 飴売り唄 原町市
16 白河盆踊 白河市
十 第三十三回福島県民俗芸能大会
県内に継承されている民俗芸能のうち、価値の高いものを広く公開し、民俗芸能に対する一般の認識を深めるとともに記録保存を図り、保護団体と協力して、民俗芸能を継承することを目的として開催しているが、本年度は、十一月六日伊達町民体育館で開催された。
公開された演目は、次のとおりである。
1 宮本の祭囃子 伊達町
2 伏沖の道祖神太鼓 伊達町
3 油井神社の太々神楽 安達町
4 渡戸高野の獅子舞 いわき市
5 山小屋の平鍬踊 玉川村
6 長者原のじゃんがら
念仏太鼓踊 大熊町
7 箱崎の獅子舞 伊達町
勢至堂宿(「白河街道」長沼町)
文化財指導者講習会