教育福島0088号(1984年(S59)01月)-050page
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ふるさと探索
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青銅製容器の甲蓋
県指定重要文化財 (考古資料)
中田横穴出二上品 〈一括〉
所有者いわき市
所在地いわき市平字梅本21番地
国指定史跡中田横穴は、前・後に室を設けた複室構造の横穴で、羨道入口より崖状に一・一メートル下った所に前庭を有する特異な構造を持っている。また後室である玄室の四周には朱彩の三角文が一面に描かれ、床面にも朱彩をほどこし、奥壁には白色粘土を塗ったやはり三角文の装飾が認められる。
このような遺構と並んで、中田横穴では、玄室から前庭部にかけて、金銅製・青銅製・鉄製などの各種の武器・武具・装身具・馬具をはじめ、土師器・須恵器など、多数の出土品が発見されている。これら出土品の多様な内容と豊富な出土例から、本資料は、本県の古墳時代後期を代表する資料の一つといえ県指定の重要文化財とされている。
従来から、横穴の副葬品は貧弱なものと考えられてきた中にあって、中田横穴の豊富な出土品は、全国的にも注目されるもので、特色ある遺構とあいまって、中田横穴の被葬者の社会的地位を反映しているものであろう。
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