教育福島0090号(1984年(S59)04月)-035page
入れた。
○複式基本指導過程(資料3)
○複式応用指導過程(省略)
基本指導過程、応用指導過程を考慮して、国語、算数、社会の全時間理科(三単元)にわたり複式指導計画を作成して授業に臨んだ。
(2) 学習ノートの作成
学習事項を系統的にとらえ、単元の目標、自分の長所、短所を確実におさえて授業に臨むことが大切でないかと考えて、学習ノートを作成させることにした。
(4) 学習予定時間割表作成(資料略)
毎日の学習予定、生活予定を前時または週の初めに、教師と児童がともに作成し教室の正面に掲示した。このことにより、今の時間は何をするのか、次にすることは何か、明日は何があるのか、今週の動きなどについて理解し、学校生活を主体的にとらえてくれると考えた。
(5) 合同体育の実施(省略)
(6) 合同音楽の実施(省略)
(7) 日記指導(省略)
(8) 複式授業研究(指導案省略)
1)三年間で士二回実施した。
2)教材の個別化、地域化を図った。
3)視聴覚機器の積極的活用を図った。
五、研究成果の一部(1) 教育目標の具現化の反省
1)児童に合った「めあて」を決め、今月の目標、今日のめあて(資料略)を教室前面に掲示した結果、児童は「これをがんばるんだ」という具体的目標がはっきりしているため、生活の中に、少しずつであるが主体性が育ってきた。
特に、三人とも個人の目標なので競争ではなく、はげまし合いながら達成できたことは、本当にすばらしいことである。
2)教師は、資料1をもとに、学習、生活指導に臨んだため、計画的にそして余裕をもって児童に接することができた。
(2) 児童の変容
1)一けたのかけ算ができない、鉛筆を持つと重いなどと言っていたA児が、自分のめあての一つである「さか上がりが出来るようになりたい」が達成できたのを境に、足かけ前転後転、面積、小数などの計算もできるようになった。
2)二人とも、発想が豊かになり、自分の目標に向かって努力する姿勢がみられるようになってきた。
(3) 少人数の最大の利点である、一人一人を生かした指導が少しずつであるが実を結んできているように思われる。
六、今後の課題
複式、学級三人という実態、全校生八人という現実からくる問題点
○競争心がない。
○友達がいない。
など、人格形成上に及ぼす影響には憂慮すべきものがある。
また、教科においては、実験、観察のともなう理科においての複式授業のあり方など数多くの問題が残っている。
今後は、本校との交流授業、他校との交流、理科と図工、書写と組み合わせた異教科の複式のあり方などについての研究をも含めて研究していきたい。
資料2 複式指導過程の基本構成
資料3 複式基本指導過程(一部)