教育福島0090号(1984年(S59)04月)-050page

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ふるさと探訪県指定重要文化財 (彫刻)

木造阿弥陀如来立像 一◆

部・漆部・両袖に流れる衣文の整った表現等に、この像のすぐれた特徴がある。

ヒノキ材の寄木造・漆箔・玉眼嵌入・安阿弥風の端正な立像である。右肘先、左手先がなく、大分いたんでいるが、低い肉讐、髪際線正面のゆるやかな曲線、優雅な面貌、通肩より腹部・漆部・両袖に流れる衣文の整った表現等に、この像のすぐれた特徴がある。

この像の頭部および胎内の「弘安三年(一二八〇)五月十四日」の墨書銘によれば、肥後国宇土郡内馬瀬の住人、得万太郎の造立した念持仏であったこと、また、「慶長四年(一五九九)己亥九月」の墨書銘によれば、「肥前国高木郡多比良之村 端雲山用林寺」に寄進されたことが明らかになっており、その後、寺伝によれば、常陸国水海道の弘経寺を経て、光岩寺に移ったという。

この像は、昭和十九年七月六日重要美術品に認定されている。

所在地 田村郡三春町字亀井二二五番地

所有者 光岩寺

(像高 七十センチメートル)


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