教育福島0092号(1984年(S59)07月)-003page
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季節の中で…
大きな実になれ梨たちよ
−受粉作業に精を出す県立双葉農業高校生−
太平洋の潮の香もほのかに、田園は縁があざやかである。
山や海、自然の真只中の県立双葉農業高校では、地域農業に根ざした特色ある農業教育を実践している。
広々とした農場には、古木の松並とペチュニア、マリーゴールドらが色とりどりに咲き競っている。その中で生徒達は、園芸、作物、畜産、農業土木等の実験実習に汗を流していた。農業科の女生徒達は、我が手で育てる家畜に愛情を注ぎ、梨の受粉や摘果実習では女性らしいきめ細かな観察で、生きるもの全ての神秘さを体験する。
将来の農業へのよき理解者となる彼女達は、明るくさわやかであり、農業後継者となるであろう男子生徒達は、その作業の全てに真剣に目を光らせる。
自然は時として厳しく、あるいは優しい。その自然を相手に、地を耕やし生命を育む農業は文化の根であり、人の心にたゆまぬ努力の大切さを教えてくれる。
若者達よ。明日の農業に希望の灯をかかげよと願わずにいられない。
−県立双葉農業高等学校は、双葉牛(和牛)の育成、梨の新品種の栽培等、地域特産種の農業を積極的に学習に取り入れ、更に農業後継者の育成や嫁不足対策も含めて農業科に女生徒を受け入れ、地域に根ざした農業教育を実践している。佐川芳雄校長は、実習服の土をはらいながら「地味だが、農業教育を通して豊かな人間を育てたい」と明日の農業教育への夢をはせている。
県立双葉農業高校農場にて
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