教育福島0093号(1984年(S59)08月)-003page

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教育福島0093号(1984年(S59)08月)-003page


季節の中で………

おじいさんもいっしょ!

−伝統のふき取り行事で学校・地域が一体感−

阿武隈山系にある東和町は、良質のふきの産地として知られる。東和中学校生徒会では、そのふきを全校あげて採取し、生徒会の資金にしている。この行事は、三十年になんなんとする古い伝統を有し、今年も去る六月二十四日に全校生がそれぞれ、あるいは両親や祖父母といっしょに山に分け入り、ふき取りに汗を流した。当日はあいにくの曇り空であったか、二年生の関光一君は、姉、妹、祖父母とともに近くの山の桑畑へ出かけ、午後遅くまでかけて、なんと百八十キログラムのふきを採取した。この日は全校で二十六トンに達し、それらは農協へ譲渡され、その収益は生徒会会計へ繰り入れられていろいろな行事や部活動に役立てられる。

ふき取りは手が黒くなる。しかしその黒さは東和中を一つの心につなぐ汗の勲章である。学校を核に地域で守り育ててきたこの行事が、子ども達にふるさとを愛し、自然を慈しみ、母校を愛する心をつくるとともに、県内各地の同様の活動が、生徒の自主的活動をのばす芽になってほしいものである。

−安達郡東利町立東利中学校の「ふき取り」

−安達郡東利町立東利中学校の「ふき取り」


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