教育福島0093号(1984年(S59)08月)-041page
第三同県高等学校総合文化祭開催
音楽部門(合唱・器楽)発表会
−会津若松市民会館−
去る七月十二日、十三日の両日会津若松市及び喜多方市において福島県高等学校総合文化祭音楽部門発表会を開催した。この高等学校総合文化祭は、県内の高校生が一堂に会して日頃の文化活動の成果を発表し合うもので、お互いに刺激を受け合うことによって、さらに水準の高い文化活動へと導くことを目的としたものであり今年で三回目を迎えました。
この祭典は、県教育委員会、開催地市教育委員会、高等学校音楽連盟、高等学校教育研究会美術工芸部会、高等学校演劇連盟及び県高等学校総合文化祭実行委員会の主催で、県高等学校長協会の後援及び県内各報道機関の協賛を得て行っているものです。
部門は、音楽部門(合唱の部、器楽の部)、美術部門及び演劇部門の三部門で今年度の発表会の日程は別表のとおりである。
音楽部門発表会は、各部門のトップを切って行われるため、例年初日に総合開会式が行われている。今年も七月十二日に会津若松市民会館において総合開会式が行われ、音楽部門発表会に花を添えた。
初めに、会津高校生による力強いファンファーレで開幕が告げられ、次いで地元高校の選抜合唱団による「歌の殿堂」の合唱があり、開会式の雰囲気はまさに若者の文化の祭典の開幕にふさわしいものとなった。
合唱の後、主催者側のあいさつがあり続いて合唱の部の講師として郡山女子大学助教授で県合唱連盟理事長の石河清氏が紹介された。その後、参加校の生徒代表による高校生らしいすがすがしいあいさつがあり、最後に、「すべての山に登れ」を全員で合唱して感動のうちに閉会となった。
今年の音楽部門発表会の参加校は、合唱の部が三十九校、器楽の部が五十八校といずれも昨年より増えており、それに伴って内容もすばらしいものが多く、特に合唱の部では、聴衆を魅了するハーモニーが続き、さすが本県の合唱におけるレベルの高さを感じさせた。合唱団も十四名のミニ合唱団から、安積女子高校のように百四十名と超大合唱団までその学校の規模や音楽活動の歴史によって差があるが、それなりに選曲や配列に工夫がこらされており、全般的に聞きごたえのある発表会であった。
また、器楽の部においても、四月以降、団の編成が変ってから日が浅いので、練習不足は否めないが、それでも若者の躍動を感じさせる力強い演奏が続いた。
この音楽部門発表会は、前述したように、日頃の音楽学習の成果発表会であり、賞取りのコンクールとは違うので、ピリピリした緊張感はなく、真剣な中にも合唱や演奏に伸びやかさが感じられた。
今後の音楽活動が、音楽学習本来の目的である心の豊かさや集団における和を大切にする心の養成を忘れずに、ますます活発になることを期待したい。
総合開会式
磐城女子高の合唱
〈別表〉総合文化祭の日程