教育福島0093号(1984年(S59)08月)-049page

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ふるさと探訪県指定重要文化財(絵画)

板絵 凌煙閣功臣画像 8枚12面

所在地

所在地

岩瀬郡鏡石町大字鏡田手鏡沼九十七番地

岩瀬郡鏡石町大字笠石字旭町一五九番地

所有者 西光寺・鏡石町

縦百七十センチメートル、横八十二センチメートル、杉戸十二枚の両面(表裏)二十四面のうち、十二面に凌煙閣功臣画像、四面に牡丹孔雀図、四面に山水図、四面に牡丹図が描かれている。

十二枚二十四面板絵のうち、指定は白雲筆になる功臣画像八枚十二面で、そのうち、四枚八面は西光寺に、四枚(片面のみ)四面は鏡石町公民館に所蔵されている。

凌煙閣功臣画像とは、唐の太宗が貞観十七年(六四三)、長安宮城内の凌煙閣に二十四人の功臣を描かせたものである。作者は闇立本で、作品には太宗自身が談をつくった。

わが国では、のち、明・清時代に模写された凌煙閣功臣画像が手本になって描かれるようになった。現存する「板絵・凌煙閣功臣画像」は、谷文晁または、陳洪綬の功臣画像を白雲が模写した巻子本を粉本として杉戸に描いたもので、制作者は白雲上人と考えられる。

白雲は、明和元年(一七六四)に生まれ、文政八年(一八二五)秋田六郷の本覚寺で没した画僧で、松平定信のお抱え絵師として「集古十種」編纂等に協力した。

「板絵・凌煙閣功臣画像」は、保存はそれ程良好とはいえないが、功臣像二十四体が揃って板絵として描かれているものは少く、また、これほど大きな作品は全国でも珍しい。白雲が力を入れた大作として貴重である。

郷土の文化財


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