教育福島0094号(1984年(S59)09月)-018page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

−特集2〜(1)−

 

定時制・通信制

教育の現況

 

はじめに

 

高等学校における定時制・通信制教育は、戦後の教育改革に際して、家庭の事情や経済的な理由などから、働きながら学ぼうとする青少年を対象に教育の機会均等の理念に基づいて、高等学校教育の一環として制度化されたものである。

すなわち、全日制の課程と同等の施設、設備や教育課程により同等の教育を行い、高等学校卒業資格を与えるものとした。以来今日まで、定時制・通信制教育は、勤労青少年の教育に、大きな役割を果たしてきている。

しかし、昭和四十年代からの経済の高度成長に伴って、全日制への志向が強まり、入学者の減少や多様化が進んできた。また、中途で学業を断念する生徒も増加してきている。

こうした状況の変化に対応し、定時制・通信制教育の質的改善を図るために、福島県教育委員会は、昭和五十六年十月、福島県後期中等教育審議会に対して、「定時制・通信制教育の充実について」諮問した。二年にわたる審議をへて、昭和五十七年十一月、改善すべきこととして

1)単位制の弾力的運用、2)専修コースの拡充、3)技能教育施設との連携推進、4)定通併修の推進、5)多部制授業の展開、6)聴講生制度の導入の六項目について答申があった。

この答申の趣旨をふまえ、昭和五十八年度各定時制・通信制高等学校は、改善のための研究と検討を行い、昭和五十九年度からこれらの検討結果に基づいて、多くの改善がなされている。

 

一、学校数及び所在地

 

本県の定時制課程の高等学校は、十三校あり、その内六校が全日制との併置校、一校が分校となっている。通信制課程は、福島中央高等学校と会津中央高等学校に設置されている。

現在設置されている、定時制・通信制高等学校の所在地は、図1の通りである。

 

二、設置学科と募集定員

 

定時制高等学校に設置されている学科は、普通科(九学科)、農業科(一学科)、商業科(一学科)、工業に関する学科(五学科)、合計十六学科。通信制課程は、普通科(二学科)である。

それぞれの募集定員は表1の通りである。

 

三、生徒の就学に対する配慮

 

働きながら学ぶ生徒に、就学の継続がしゃすくなるよう各種の配慮がなされている。

(一)、経費等についての配慮

ア、国と県からの補助

・ 教科書の無償給与

・ 修学資金(月額七千円)の貸与。

卒業すれば、返還の義務なし。

・ 修学指導事業(宿泊研修や合宿スクーリング)への経費補助。

イ、各種奨学金の貸与

・ 日本育英会奨学資金 石沢奨学資金

・ 県奨学資金 阿部育英資金

ウ、勤労学生に対する所得税の免除の適用

エ、学費について

○ 定時制の生徒に対しては

・ 授業料月額千二百円で、全日制

 

図1 定時制・通信制高校の所在地一覧

 

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。