教育福島0095号(1984年(S59)10月)-012page
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る。しかし、大切なのはその場で完結することではなく、今後の学習に指針を与えることであると思う。「ゆとりある教育」を実現するには、授業の中に生徒が自ら「考える」時間を作ってやらねばならない。教師にとって大切なのは、細部にこだわらず、ポイントをつかませることである。何を教えて、何を教えないか。その日のポイントをどこに置くか。生徒に学習の焦点を与える意味において、教材の精選は重要である。「わかりきった所を、わざわざ訳したり説明したりする必要はないと思います。スパッと抜かして、ポイントを押さえておいてくれると、あとで自分で発見があって、楽しい」というのは、期せずして生徒が語ってくれた言葉である。
(三) 概要・要点の把握に徹する。
三年ともなると、かなりの長文を読みこなす力がついてくるが、長文であるだけに難解で不明な部分も少なくない。しかし、事柄の概要をつかむ形で長文全体の大意がわかれば、それで十分であると思う。
概要・要点の把握をするには、パラグラフリーディングが必要となる。英語のパラグラフは、長短にかかわらず一つのアイディアに統一されているから、各パラグラフから一つずつアイディアを拾っていけば、速く読めるようになる。ところが、多くの生徒は、ワン・パラグラフ=ワン・アイディアということを知らないため、一つ一つの文を同じ比重で読んでしまう。その結果、焦点をしぼれず、アイディアをたどるリーディングができなくなる。パラグラフの構成に注意すれば、概要・要点の把握はそう難しいことではない。
(四) グループ討論をおりこむ。
勿論、毎時間この方法で授業をするわけではない。マンネリ化を避けるために適宜小グループによるディスカッションをとり入れている。この利点は、すべての生徒が話す機会をもつことができ、また、モデレーターを務めることによって、司会のしかたと役割を学び、リポートすることによって、討論の内容を要約する方法を学べることである。さらに、与えられた課題を解決していくだけでなく、討論を通じてより深い人間関係の形成も期待される。授業の活性化という点でも、この方式は非常に有益である。
三、授業の実際
(教材:桐原書店発行「わたしの日本文化考」より)
(1)Introduction
英問英答の形でstereotypeの意味と定義を確認したあと、身近なステレオタイプを数例紹介し、学習への関心を高める。
(2)Understanding
本文の要点把握に移る。
1)Teacher's model reading(語りかけるような口調で)
Teaching procedure
1. Introduction
Aims
1 To motivate the students to study the topic of this period
2 To know what stereotypes are
Activities
1 Questions and answers
2 Referring to background information
3 Introduction of some stereotypes
2. Understanding ( paragraph by paragraph )
Aims
1 To grasp the main idea
2 To learn some useful expressions
Activities
1 Teacher's model reading, giving advice to grasp the gist
2 Questions and answers
3 Explanation of some difficult points
4 Reading aloud ( chorus, individual )
5 Silent reading
6 Check of understanding ( EVALUATION 1 )
3. Consolidation
Aims
1 To check the comprehension
2 To practice reading
3 To get further understanding of stereotypes through discussion
Activities
1 Check of understanding ( EVALUATION 2 )
2 Reading aloud ( model, chorus, individual )
3 Small group discussion and Reporting
Homework
1 Summarization of the text in English ( EVALUATION 3 )
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