教育福島0095号(1984年(S59)10月)-011page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
博物館の職員や地方史研究者との対話から地方史に関するさまざまな話が聞かれたり、調査・研究の中で自らフィールドワークして地域の地形が理解できたなど、多くの感想が出された。
発表内容は「須賀川市史」「県史」等を写したものもあったが、それだけに終らず、写真や実測図など実際に足で歩いて書き上げたものもある。報告書の内容はさまざまであるが、一冊にまとめて生徒に配布してみると、生徒達には成果の喜びが感じられたようである。
実践結果の反省として、教師側が地方史をもっと研究すべきことを痛感した。さらに個別指導の際、生徒との接する時間が充分でなかったので、個別指導をさらに計画的に指導したならば、生徒が提出する調査・研究の内容にもっと充実した成果が得られたと思われる。
このような実践を繰り返すことにより、「地域社会の歴史と文化」を少しでも理解し、さらに自らの手で地域社会への理解を深めようという態度が養われることを期待したい。
参考文献
図説福島県史
郷土 須賀川
福島県の歴史 山川出版 小林清治 山田舜著
高等学校学習指導要領解説 社会編
歴史学習指導の視点と方法 佐藤照雄著
表1 課題学習の日程と学習活動
![]()
英語
![]()
私の授業改善の試み
県立福島女子高等学校
教諭 田辺英憲
一、発想の転換を求めて
「訳読を続けている限り、日本の英語教育は絶対に発展しない」。昭和五十七年秋、福島市で行われた東北六県英語教育研究大会で、演壇に立たれた文部省視学官の佐々木輝雄先生は力強くこう断言された。教科書一辺倒の訳読式授業に疑問を持ち始めていたとはいえ、長年慣れ親しんできた指導法を、かくも簡単に否定されると落雷にも似た大きなショックを感じたが、この言葉が、私を授業改善へと導いた。
その興奮もさめやらぬ翌年一月、私は、筑波における研修に参加する機会を得た。佐々木先生のご指導のもと、ドラスティック・チェインジを目指して奮闘が始まった。ここでの研修は、授業も生活もすべて英語。授業は、レクチャー→グループ・ディスカッション→リポーティングという形態をとり、英語を話す機会が数多く設けられている。この授業過程が「筑波方式」−(Tsukuba Format)と呼ばれるもので、多くの講師が取り入れ、大きな成果をあげている。
二、授業が、そして生徒が変わった
訳読式の授業から脱却するには、研修で得た事を毎日の授業に生かしていかねばならない。とは言え、新方式に踏み切るには、やはり勇気を要した。大学入試を控えた生徒に受験英語の指導をしないで、大らかにヒアリング、スピーキングを強調していいものかどうか。しかし、英語教育を改善するには、教師がまず変容することが必要である。
私は現在、次のような指導理念を持って、授業改善を目指している。
(一) 英語による英語の授業
和訳は、それが最も有効と思われる時だけに限り、授業も主として英語を使って展開する。教師がまがりなりにも英語で授業を進めることで、生徒には、聞く力と集中力がついてくる。そして英語を生きた言葉としてとらえるようになる。「先生、いきなり英語で始めたもんだから、最初はとまどってエッ、今なんて言ったの、なんて隣の人に聞いちゃったりして。でも、私、外国のポップスが好きで、最初は歌がただワァーワァーって聞こえてたのが最近は英語が聞きとれるようになったからうれしい」とは一人の生徒の弁。
(二) すべてを教えない。
英語教師は一般に真面目で親切すぎるようだ。あらゆる事を詳細に教え、完壁な教育を模索しているように見え
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |