教育福島0096号(1984年(S59)11月)-049page
ふるさと探訪
県指定重要文化財 (彫刻)
木造阿弥陀如来立像 一◆
像高 五二・三センチメートル
ヒノキ材の寄木造、前後二枚両肩はぎ合せ、頭部は、首◆で差し込む。漆箔で玉眼を嵌入している。
面部は温容、低い肉書、螺髪はやや大きく、一列目は下方を向き、耳朶の張りもよい。両肩、両膝、袖部のまとめには、安阿弥風の影響がみられる。
胎内裳裾部に、「奉迎□文永元年(一二六四)才次甲子 八月十五日公慶」の銘文があり、鎌倉中期を降らない慶派の作であることを明らかにしていて、貴重である。
なお、台座・光背は後補である。
この像は、昭和十九年七月六日重要美術品に認定されている。
所在地 いわき市四倉町玉山字牧ノ下五十三番地
所有者 恵日寺
郷土の文化財