教育福島0100号(1985年(S60)04月)-014page
って表れてきている。
こうした県民の要請に応えるため、大学開放講座を実施し、生涯教育の推進を図る。
(ウ) 高等学校開放講座
県民の生涯にわたる学習の機会を拡充するため高等学校を開放し、成人を対象に専門的知識、技術又は一般的教養の修得を図る。
3) モデル市町村の指定
地域住民の生涯学習に対する強い要請に応え、地域における生涯教育の推進体制を整備するため、モデル市町村を指定し先導的、モデル的な市町村事業を実施する。
四、生涯教育推進のための課題
(1) 今日的課題
1) 主要学習課題
社会の変化に対応するため、更には、生活を豊かにし、新しい社会づくりを推進するために、人々の学習は必須となっている。
学習内容は、乳幼児期から高齢期に至る各時期の発達課題の達成や教養を高め、心身を鍛え、自己充足を図り、生きがいのある豊かな生活を創造するためのもの、更には、郷土を愛し地域づくりを目指し、高齢化社会に備えるもので、次のように七つの学習課題を主要なものとした。
(ア) 健康の増進、体力づくり
県民一人一人が生涯を通して健康で明るく活力に満ちた生活を送ることは極めて重要である。
今日の社会の変化が生活構造の変化をもたらし、県民の健康の増進や体力づくりの一層の必要性をもたらすなどさまざまな問題を投げかけている。
遊ばない子、遊べない子どもの増加、職場や家庭における身体的活動の著しい減少から体力の低下や運動と栄養のアンバランスによる健康阻害が見られ、県民の健康に対する関心が高まっている。
一方、労働時間の短縮による自由時間の増加は、生活水準の向上や平均寿命の伸長とあいまって、日常生活の中で幼児から高齢者に至るまで、広くスポーツ活動の活発化をもたらしている。
そのため、健康の増進、体力づくりを目指して、県民の「生涯スポーツ」の重要性についての認識を高めるとともに、健康の増進、体力づくりを自主的にできるようにする必要がある。
(イ) 人間形成上の基礎・基本の習得
生涯学習の必要性は、発達課題についての考え方の変更をも意味している。
従来の発達課題の意味は成人を完成した人間と見なし、成人となるまでの課題であった。
しかし、今日は、成人期以後においても激変する社会に適応し、豊かな生活を確立するために、人間として学習を必要とする基礎的、基本的な事柄がそれぞれの時期にあり、生涯にわたって人間形成が必要であるとの考えから発達課題をとらえようとしている。
したがって、生涯の各時期に習得が求められる人間形成上の基礎・基本は、生涯学習の観点から発達課題の内容・達成時期にわたって再検討されることが望まれる。
(ウ) 職業・技術の学習・計練
技術革新のめざましい現代社会においては、社会人は常に職業上の新しい知識や技術を身につけていく必要がある。
更に、産業構造の変化と相まって、求められる適性も変化してきている。そのため、職業を持っている者はもちろんのこと、これから就業しょうとする者にとっても絶えず専門的な知識・技術を身につけることが重要視されるとともに、職業に対する適性の見直し、新しい知識・技術を修得する能力を持つことが求められる。
また、婦人のライフサイクルの変化から育児後の再就職や高齢化社会の進行とともに高齢者の再就職など新たな就業問題とそれに伴う職業に関する学習が重要な課題となってきている。
そのため、職業に関する専門的な知識・技術を身につける場として、専修学校や各種学校等が見直されることが求められている。
したがって、学校教育の場において、また、働きながら学ぶ
県小・中学校PTA指導者研修会・湯川村