教育福島0100号(1985年(S60)04月)-049page
ふるさと探訪
県指定重要有形民俗文化財
金沢の羽山ごもり託宣記緑
県指定重要有形民俗文化財
金沢の羽山ごもり託宣記録一三〇冊
所在地 福島市松川町金沢字宮前四三番地
所有者 半沢正富
福島市松川町金沢鎮座黒沼神社の山宮にあたる羽山神社の羽山ごもりの行事は、昭和五十五年一月二十八日付で重要無形民俗文化財に指定されたが、羽山ごもりの中心は、厳重な潔斎をした村人たちが深夜の羽山岳の頂上において、のりわらを通して告げられる羽山神の神託を聞いて年の豊凶を知ることにある。古い時代にあっては、神言を記録にとどめることをはばかったと思われるが、幸いにも明治三十三年以降は記録として残されている。たいてい縦二十三センチメートル・横十一センチメートルほどの二つ折りの和紙を小冊子にとじたもので、明治三十四年、同三十五年、昭和十二年、同二十年のものを欠くほかは、昭和五十八年のものまで八十三年間の分一三〇冊が揃っている。同年度のものが数冊あるのは、同じ託宣を聞き誤りのないように数人で書きとうているためである。託宣の起源はわからないが、昭和の現在まで連綿と信仰が生き続けていることは、まことに貴重である。
昭和59年度福島県指定文化財指定一覧表
合計 7件 内訳 県指定重要文化財 4件 県指定重要文化財 附指定1件県指定重要有形民俗文化財 1件 県指定史跡 1件
ふるさとの文化財