教育福島0108号(1986年(S61)01月)-010page
特集
県民スポーツの振興
はじめに
生涯にわたって、健康で活力に満ちた生活を送ることは、わたくしたちの共通の願いです。
しかしながら、社会、経済の著しい進展によって生活水準は向上しましたが、反面、日常生活における身体活動が減少し、健康に係わる様々な問題が生じてきております。
また、人生八十年といわれる今日、高齢化が進行する中にあって、健康と生き甲斐についても大きな社会問題としてクローズアップされてまいりました。
このような状況の中で、近年、県民の健康に対する関心が次第に高まり、スポーツの重要性が認識されるとともに、スポーツに親しむ人々が増加してまいりましたことは、誠に喜ばしい現象であります。
県といたしましては、これまで、県民スポーツの振興をめざした施策の推進に努めてまいりましたが、多様化している県民のスポーツ欲求に十分対応し得たとはいえない現状であります。
このたび策定しました「第三次福島県長期総合教育計画」は、二十一世紀を指向した本県教育、文化の望ましい姿を描き、今後取り組むべき方策を明らかにしたもので、生涯教育の理念に立って教育諸条件の整備充実を図り、新たな時代に呼応した活力ある県土づくりを担う「未来をひらく、心豊かなたくましい人間」の育成をめざすものであります。
また、その重点施策のひとつとして「健康で活力ある生活をめざす保健体育、スポーツの推進」を掲げ、 「生涯にわたる健康づくり」を積極的に推進していく考えであります。
御承知のとおり、昭和七十年には、本県において第五十回国民体育大会を開催することになっております。
国体を開催することは、県勢の伸展と明るく豊かな郷土づくりを一層推進するとともに、県民スポーツの振興を図るまたとない機会であります。
したがって、県といたしましては、国体開催準備に万全を期するとともにこれを契機に、県民スポーツの振興をめざしたきめの細かい施策を推進してまいる考えであります。
以下、今後、本県がめざす県民スポーツの振興策について概略を御紹介いたします。
なお、これが施策の推進にあたりましては、各市町村をはじめ、関係機関団体の皆様の御理解と御協力を切にお願い申しあげます。
一、体育スポーツ団体の育成
1 県における体育・スポーツ団体
体育・スポーツ関係団体には表1のとおり(財)福島県体育協会、県体育指導委員連絡協議会、県レクリェーション協会等があり、体育・スポーツの普及振興に大きな役割を果たしています。
それぞれの団体は、各種大会の開催や指導者養成等の事業に取り組み、県民の健康・体力つくりを推進するとともに、豊かで明かるい県民生活の確立に寄与しています。
県といたしましては、各団体の活動を促進するために、より一層、組織、運営面の充実を図り、また、会員数の増加を図るよう指導・助成に努めております。
○財団法人福島県体育協会.
本協会は、スポーツの振興を通じて県民の健康と体力の向上を図り、スポーツ精神を高揚し、明るくたくましい県民の育成に貢献することを目的とし
表1 県における体育スポーツ団体