教育福島0108号(1986年(S61)01月)-021page

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わかりやすい教育法令

入学・卒業

 

一 入学

 

一 入学

 

1 入学の意味:入学とは、児童生徒と学校の設置者との間に、学校という教育施設の利用関係を設定する行為ということができます。入学によって学校の児童生徒という身分を取得して在学関係が成立することになります。休学、転学、退学、卒業などは、すべて入学という行為に基づいて起きるものです。

2 入学手続:(1) 義務教育諸学校への入学は、市町村教育委員会(盲者等の場合は県教育委員会)が保護者にその子どもの入学すべき学校を指定して就学義務の履行を求める形をとります。一般的には、入学許可のような手続を要しないことになります(学教法施行令五条、六条、一四条)。

(2) 公立高等学校への入学は、選抜に基づく入学許可という形をとることになっています。また、公立高等学校では、県教育委員会によって通学区域が指定されており(地教行法五〇条)、特別の理由によるほかは、区域外の高等学校に志願することはできません。

更に、高等学校に入学するには、中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業するか、監督官庁たる文部大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められることが必要です(学教法四七条、同施行規則(以下「規則」という)六三条。)

そして、校長は志願者に対して選抜を行い、その結果に基づいて入学を許可することになります(規則五九条一項)。選抜は、学力検査の成績と中学校長から送付された調査書を資料として行います。学力検査は、設置者である県の教育委員会が行うことになっています(規則五九条一項、三項)。

 

二 卒 業

 

1 卒業の意味一卒業とは、児童生徒が、学校の所定の全課程を修了したと認められることをいいます。校長は、児童生徒の平素の成績を評価してこの認定を行い、卒業証書を授与しなければなりません(規則二七条、二八条、中・高校に準用)。

2 卒業認定の主な留意事項

(1) 卒業認定の時期一規則上「学年は四月一日に始まり、翌年三月三一日に終る」(四四条、中・高校に準用)と定められており、通信制及び定時制課程の特例を除いては学年の中途に卒業認定は行わないこととなっています(規則六四条二項、六五条二項)。

(2) 原級留め置きと卒業:校長がある児童生徒について、長期欠席等により卒業を認定できないとした場合には、原級留め置きも可能です。義務教育諸学校においてこの処置を行ったときは、校長は速やかに市町村教育委員会に報告しなければなりません(本県管理規則準則三七条の三の三号)。また、満一五歳を超えて原級に留まった場合には、保護者の就学義務が延長されることにはなりません(昭和二八年三月一二日文部省初中局長回答)。この場合、満一五歳で就学義務は終了しますが、満一六歳以上になって全課程を終了した者には、校長は卒業証書を授与しなければなりません(昭和二九年七月一四日文部省初中局長回答)。

 

質疑応答

 

問 小・中学校の入学期日、卒業期日の記入は、それぞれ何日とするのがよいのでしょうか。

 

答 義務教育諸学校にあっては、学教法二二条の就学義務との関係及び同法施行規則四四条・五五条の学年の始期終期との関係から、それぞれ四月一日、三月三一日とすることが適当です。

学齢簿及び指導要録の取扱いについて、文部省初中局長通達(昭和三二年二月二五日)によれば「入学期日は、公立学校にあっては教育委員会が通知した入学期日」とし、 「卒業の場合は、校長が卒業を認定した日(原則として三月末であることが適当である)を卒業年月日とすること」とされています。

本県では、県教育委員会と市町村教育委員会連絡協議会との申合せ事項により、入学式は小・中・養護学校とも四月六日(当日が日曜の場合は翌日)とし、指導要録の入学月日は四月一日としています。また、卒業式は、小学校は三月二三日、中学校は三月一四日(当日が日曜の場合は前日)とし、指導要録の卒業月日は三月三一日、卒業証書の日付は卒業式当日としています。

 

 

 


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