教育福島0108号(1986年(S61)01月)-022page

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研究実践レポート

 

集団生活のよろこびを感得させる適応指導

耶麻郡塩川町立塩川小学校

教諭 芳賀忠夫

 

解説

本論文は、昭和五十九年度公立幼・小・中・養護学校教職員研究論文の入選論文です。児童理解のための豊富な資料の収集と分析に基づいた優れた実践記録のまとめとして高い評価を得たものです。

 

一、研究の趣旨

 

児童生徒の健やかな成長を願い、教育の内容や環境などの充実が図られている一方で、その反面、児童生徒の反社会的行動や非社会的行動などの問題行動が増加している。

こうした問題への対応策の一つとして、昭和五十八年度から「適応指導」のあり方について、実践的に研究をすすめてきた。

学級担任として、児童の実態や学校教育目標具現化との関連を考えた結果まず、「適応指導」に取り組み、学校生活をおくる上での悩みや不安などを解消してやることこそ最も大切であると考え、この主題を設定した。

 

二 解決の方策

(一) 対策

児童が、問題行動をとるようになる要因は、多元的である。したがって、実際の指導にあたっては、豊富な資料から児童を的確に理解することが大切である。更に、児童理解に基づいて、一人一人の実態に応じた指導計画を立案し、児童自らが正しい価値観や望ましい行動のし方を志向し、自らの意志で実践できるよう援助してやることが大切である。また、これと同時に、自らを高めようと努力する児童を同じ学級内の成員として認め、励ましや援助協力を惜しまない学級集団づくりも忘れてならないことである。

(二) 対策の具体化

主題に迫るため、前述の対策を次のように具体化した。

1) 児童を的確に理解するために

ア、文献による理論研究をする。

イ、児童の身体的特徴、性格、習癖、悩み、不安、知能、学力、学習適応性、交友関係、対教師関係、家庭環境などの事実を客観的に把握する (結果を表に整理し、分類する)。

ウ、客観的に把握した事実を分析的に解釈し、児童理解をより的確にする。

2) 実態に応じた指導をするために

ア、指導の方針、内容、方法、場と機会を明確にした指導計画を作成し、意図的、継続的に指導する。

イ、教師と児童のラポートづくりにつとめる。

3) 援助・協力を惜しまない望ましい学級集団づくりをするために

ア、個人の長所を全員で認め合う場を多く設定し、指導にあたる。

イ、特に、学級会活動、学級指導に指導の重点をおき、児童の活動を活発にし、満足感、成就感を味わわせる。

 

三 研究実践の概要

−非社会的な行動が目だち集団生活になじめない児童への指導例−

(一) 問題をもつ児童の的確な理解

 

資料1 研究実践の構想図

 

 

 

 


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