教育福島0109号(1986年(S61)02月)-013page
昭和61年度
学校教育指導の重点
幼稚園教育
幼稚園教育に対する期待と関心が高まってきている今日、幼稚園教育の課題を的確にとらえ、全職員参加による経営の充実、個々の幼児に応じた指導法の改善、家庭や小学校との効果的な連携等について、実態を踏まえて努力する。
一、幼児の心身の発達の実情や地域・園の実態などを的確に把握し、適正な教育課程を編成する
(一) 園の持つ課題を踏まえて、教育目標を設定し、どのような場でどのように指導することが幼児の身につくかなど、全教師が共通理解を図り、適正な教育課程を編成し、教育目標の具現に努める。
(二) 幼稚園教育要領の内容を正しく理解するとともに、幼稚園教育指導書を十分理解して編成に当たる。
(三) 指導計画には、年度の努力目標を十分反映させ、ねらいを具体化し長期間、短期間それぞれの特色を生かした計画を作成する。
(四) 幼児の興味や関心・年齢や心身の発達の実情、地域や園の実態を十分考慮して、最も望ましい経験や活動を選択し配列するよう努める。
(五) 指導の反省・評価を適切に行い、指導計画の改善に生かすように努める。
二、幼稚園教育の特質を生かした指導法を工夫する
(一) 個々の児童の発達の実情を理解し一人一人を生かす指導に努める。
(二) 幼児の生活経験に即し、具体的・総合的な指導を行うようにする。
(三) 経験や活動のねらいの程度や期間などを考慮して指導過程を工夫する。
(四) 幼児の興味や欲求を生かして環境構成を工夫し、幼児が自主的に取り組めるように努める。
(五) 目標を具体的に設定するとともに評価の観点を明確にし、適切に評価を行う。
三 健康・安全指導に努める
(一) 日常の運動、遊びを通して、健康な生活に必要な習慣や態度を育て、安全な生活に必要な基本的な行動様式を身につけさせる。
(二) 常に施設設備の安全点検を行い、潜在危険の発見と除去に努めるなど安全管理に万全を期する。
(三) 交通安全や災害時の安全確保については、地域や家庭との協力連携を図って事故防止に努める。
四、家庭や小学校との連携を密にし、一貫した幼稚園教育を進める
(一) 保育参観・家庭訪問などの機会をとらえ、家庭・園が相互に幼児の理解を深め、協力し合って教育の効果をあげる。
(二) 幼稚園と小学校相互の授業参観の機会を設けるなどして、小学校と幼稚園相互の理解に努める。
五、研修体制を確立し、研修内容の充実に努める
(一) 各園における問題点を明確にし、それを解決するための手順や方法を明らかにして、園内研修を効果的に進める。
(二) 地域における研究組織を確立し、具体的な計画に従って、組織的な研究を推進する。
(三) 研究の結果については、常に評価し、その要点を記録・累積してその活用に努める。