教育福島0109号(1986年(S61)02月)-027page
ら、少人数の特性や恵まれた自然環境を生かして、一人一人の児童生徒の個性・能力を生かし、育てる教育実践のため、次の点に努力する。
一 児童生徒や地域・学校・学級編制等の実態に即して、指導計画の改善充実を図る
(一) 地域の学習環境や学習素材・児童生徒の生活経験を生かせる指導計画に改善充実する。
(二) 育て身につけさせる諸能力や態度を明らかにして、実践可能な具体的な指導計画に改善する。
(三) 児童生徒の実態を適切に把握し、教材の精選や教材構成の工夫をして、指導の重点を明確にする。
(四) 複式学級における年間指導計画の作成に当たっては、計画の型についての研究を深め、実情に即した効率的な指導ができるよう改善する。
(五) 指導計画の改善に当たっては、実践の評価と反省を生かし、具体的な観点に基づいて計画的に進める。
二 少人数の特性に即した教育活動や指導法を工夫し、授業の充実を図る
(一) 一人一人を育てる教育活動を計画的に進める。
(1) 積極生や社会性を育成するため、集団の編成の仕方を工夫し、その機能を生かすとともに、集団内での自己啓発に努める。
(2) 学校や学級における全教育活動を通じて、表現力や主体的な態度を育成するよう努める。
(3) 個々の児童生徒に対応する指導を継続的に行う手だてを講じるとともに、その指導に努める。
(二) 主体的に学習を進める力を育てる指導法を工夫す。
(1) 学習意欲を高めるため、学習のめあてと学習方法を明らかにする。
(2) グループ学習において、児童生徒が共通の目的や問題をもって結びつき、協力して問題解決に取り組めるようにする。
(3) 指導と評価の一体化を図り、基礎的な諸能力が、児童生徒一人一人に確実に身につくようにする。
(4) 複式学級においては、さらに、次の事項に配慮して指導に当たる。
○ 直接指導と間接指導とを有機的に関連づける指導過程を工夫する。
○ 間接指導においては、課題の解決、習熟・応用、自己評価などをとおして、「ひとり学習」の深化を図る。
三 教育機器や資料の積極的な活用を図る
(一) 学習に興味と意欲をもたせ、学習経験の拡大を図るため、教育機器の活用に努める。
(二) 複式学級における指導資料等の効果的な活用に努める。
(三) 教育機器や資料の計画的な整備、管理を図り、積極的な活用に努める。
生徒指導
生徒指導は、学校の教育目標を達成するための重要な機能の一つであり、その機能は教育活動のすべてに及ぶものであって、学校教育のあらゆる場と機会を通じて働くものである。
したがって、生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよき発達と、学校生活が一人一人にとっても、楽しく充実したものになることをめざす教育活動であるといえる。この認識に立って、次の点に努力する。
一 .教師の共通理解を深め、指導体制を確立する
(一) 生徒指導の重要性について、教師間の理解を深め、すべての教師が互,いに補い合って、各自の役割を果たすことのできる指導組織づくりに努め、指導体制を確立する。
(二) 日常生活のしつけや非行対策のみにとどまることなく、一人一人の児童生徒の自己実現への援助・指導であることを確認し、指導を進める。
(三) 生徒指導に関する研修を現職教育の一環として実施し、指導力の向上に努める。
二 実態に即した指導計画に改善する
(一) 全体計画は、教育目標との関連、地域や学校及び児童生徒の実態に即し、学校の教育活動すべてに機能するように改善する。
(二) 部門別計画は、全体計画をどう展開するかを明確にし、学年・学級の月別計画まで具体化を図り、十分活用できるように改善する。
(三) 実践の評価を適時、適切に行い、指導計画及び指導法の改善に努める。
三 児童生徒の理解と教育相談を一層充実させ、生徒指導に当たる
(一) 児童生徒との日常的な触れ合いの機会を多くし、一人一人の児童生徒の思考、感情、悩みなど内面的な状態を把握するように努める。
(二) 計画的、継続的、組織的に検査、調査、相談を実施し、日常の観察と併せて児童生徒を多面的に理解するように努める。
(三) 児童生徒の自発来談が積極的に行われるような教育相談の在り方について研究・実践を進める。
(四) 教育相談に当たっては、共感的・受容的な態度で相談に当たり、日常生活へのよりよい適応と自己実現へ