教育福島0109号(1986年(S61)02月)-042page
ここは、既習経験をどう生かしていくかが最大のカギとなり、筋道立てて考える力を育てるための、大切な段階である。解決の計画が自分で立てられる児童を育成していくために、
○図式化してみる
○置き換えてみる
○類推してみるなどの方法を、繰り返し身につくまで指導した。
なお、ここでは時間を十分に保障して思考させ、一斉指導よりも個別指導に重点をおいた。個々の活動状況を把握するための机間指導も不可欠な段階である。
3) 教師用の学習計画
単元学習を進めるにあたって、教師サイドでも、ある程度詳しい計画を持っていることが必要である。ここで特におさえておかなければならないことは、目標、基礎基本となるもの、自己学習能力を育てる手だて、育てたい態度などであろう。(資料3)
(三) ドゥー(解決の実行)のさせかた
1) 自力解決と集団思考による学習の深化(省略)
2) つまずき解消のための補説の場の設定
授業は、指導−反応−評価という一連のサイクルの中で行われるが、指導案の中にも反応に基づいた適切な指導の方法を考え、位置づけておかなければならない。児童がどのように反応するかをできる限り予想し、更には、どのように考えてそのように反応したかという、根拠をも予想しておくことが必要である。反応の中には、「わからない」「できない」というものも必ずあることを考えて設定しておくこと。このようなマイナスの反応に対して、補説の場を設定し、適切な治療を加えることが重要になってくる。(資料4)
(四) シー(自己評価)のさせかた
1) 一単元における自己評価
一単元内における自己評価の場の一つは、教科書に見られる、いわゆる「練習」とか「まとめ」とかにおいてである。ここで児童は、何ができ何ができなかったのか、今度するときはどこをどう工夫したらよいか、これからの学習に生かすことはないか、などを確かめる作業をする。
また、事前テストと比較して考察を加えながら、学習の効果を確かめるための事後テストにおいても、自己反省のよい機会を与えてくれる。児童にとっては、単元の自己評価の資料となるが、教師にとっても、指導したことの効果確認、反省の場であり“今後の指導目標立案のもとになるものである。
(資料は省略)
最後に、単元をふり返っての感想を書かせる。学習計画の時点一学習前一と比べて、学習後はどのような変容があったのかをふり返らせてみる。
すなわち、
資料3 教師用の学習計画例