教育福島0109号(1986年(S61)02月)-044page
○抱いていたイメージはどう変わったのか
○この単元では何を学んだのか
○学習の進めかたはどうであったのか
などについて、自己評価をさせる。
2) 一単位時間における自己評価
一単位時間の指導過程において、ここでは特に、児童の活動7番を重視している。(資料5)
ここを自己学習能力を育てる重要な場として位置づけ、 「算数日記」という形で実践してきた。すなわち、その内容は、
1、わかったこと(わからなかったこと)
2、どのような工夫によりわかったのか
3、感想
の三つの観点についてである。1番の「わかったこと」は、本時の課題との関連で書かせている。本時の目標が達成できたのかどうかが評価できる欄である。2番の「工夫」については、毎時間、「こんな工夫をしたからわかったのだ」という見方のできる児童を育てたいという願いがある。3番の「感想」は、いわゆる感想であるから、興味の程度、満足の度合など、どんなことでもよい。この欄によれば、情意面の評価がよくできる。(資料6)
3) 自己評価と自己学習能力
○学習目標を見つけていく力
○学習方法を見つけていく力
○学習を自分の意志で進めていく力
○学習の過程や結果を評価していく力
これらの四つを自己学習能力の要素であるとしたが、これらは全て自己評価の観点ともなるものである。すなわち、
1、目標(課題)に対してどうであったか
2、学び方(工夫)の面でどうであったか
3、情意面(感想)でどうであったか
ということになる。まとめると、自己評価活動の体験を、児童のあしあととして蓄積させ、それを自己学習能力として高めることが重要であると思う。
資料5 自己学習能力を育てる学習過程
資料6 児童の算数日記の記載例