教育福島0109号(1986年(S61)02月)-045page
五、研究のまとめ
(一) プラン(学習の計画)について
児童の調査(資料7)からも分かるように、単元の学習全体を見通した課題意識がもてるようになったこと、見通しをもって学習に取り組めるので、自ら学ぶ意識が高まってきたこと、などの成果が認められる。
指導方法も、多少進歩したように思われる。指導過程の課題把握に、あまり時間をとられることが少なくなり、適用の段階まで余裕をもった流れになることが増えてきた。また、一単位時間における解決の計画を重視した結果、筋道を立てて考える力を一層つけることができたと思われる。
(二) ドゥー(解決の実行)について
努めて自力解決を心がけさせ、つまずいた場合、それを解消する手だて(補説)を設定して進めたので、マイナスの反応に対して、ある程度適切な治療ができた。
また、反応分析装置を活用し、それぞれの診断に対してどういう選択肢を用意するか、などを位置づけておいたので、一人一人の児童の理解の程度や.反応の特性が把握でき、一層個別化への手がかりが得られた。
(三) シー(自己評価)について
算数日記について児童の調査からみると、それぞれの欄に、わかったことや工夫したことなどを記入できるかどうかで、その時間の学習を評価していることがうかがえる。
毎時間点検し、朱書きを加えることは大変ではあるが、児童は教師の言葉を励みにして、はりきって続けている。三つの項目については、一つも欠かすことができないものである。目標,一対してどうだったのか、学びかたの工夫がつかめたか、更には情意面をとらえる手がかりにもなり、次時へ生かす橋渡しとしても、毎時の授業になくてはならないものとなっている。
六、今後の課題
前記のような成果のごときものが認められたが、日常における実際の授業では困難の連続であり、常に自分自身の力量不足を痛感させられた。本主題が大きすぎたことは否めないが、学習のプラン・ドゥー・シーが自分でできる児童の育成を目指して、特に次のような点に力点を置かなければならないと考える。
○児童から出された問題点を改善していくこと。特に、子どもたちも計画が立てられないときヒントが欲しいと考えていることから、よりょく、より多くの児童が計画を立てられるようになるための、手だての研究をすること。
〇一層児童の反応を見きわめ、つまずきを解消するための方策の研究を深めること。
O教材の特質による自己学習能力を育てる工夫、算数科のみにとどまらず、他教科との関連において、あるいは生活全般における自己学習能力の伸長を目指しての研究を進めること。
資料7 児童のアンケートから ◆よさ ◆問題点〈一単元における学習計画〉
◆ この時間はこういう課題だとすぐわかる。
◆ 課題が何か、すぐ手を挙げて発表できる。
◆ たくさんの課題がきめられて、楽しい。
◆ 課題がわからなくて進められないとき、学習計画を見ればすぐに分かる。
◆ 何時間の計画かが分かり、勉強が進めやすい。
◆ 計画的に予習ができる。
◆ 課題をすぐにつくれない。ヒントがほしい。〈一単位時間における解決の計画について〉
◆ 勉強のしかたが分かり、考える力をつけるのに役立つ。
◆ 自分の考えのうつりかわりがよく分かる。
◆ 考える力を強くして、自分の力がどのくらいか分かる。
◆ 解決の計画がなかなか立たない。〈自己評価(算数日記)について〉
◆ その日よく分かったか、よく分からなかったかが分かる。
◆ その日の勉強の反省がよくできる。
◆ 忘れたとき、算数日記をふり返ればよく分かる。
◆ いつどんなことが分かったか、どんな工夫をしてやったか、そのときどう思ったかなど.もよく分かる。
◆ ○か◎など、どちらがついてくるのか楽しみだ。
◆ 先生からの言葉が書かれてくるので楽しみだ。
◆ 分からないことを書くと、先生がすぐ教えてくれて、困ることがない。
◆ 書くのにちょっと時間がかかる。
◆ 「工夫」の欄が同じときがある。