教育福島0110号(1986年(S61)04月)-051page

世界の教育は今。

海外教育事情の紹介

州によって異なる教育行政

−アメリカ・テキサス州−

アメリカ合衆国の教育は、州の権限事項とされ、教育行政は基本的には、それぞれ各州独白の権限によって運営されている州は、またその州内の教育に関する権限のうち、かなりの部分を地方の学区に移譲している。

数市町村で組織される地方の学区は、一般行政区から独立した地方教育委員会によって管理され、教育プログラムの作成、教育長の選出、教育財産及び施設の確保.教職員の採用、教材教具の購入等を行う大きな責任と権限を持っており、また同地方教育委員会は、学区内の住民の代表(公選)によって構成されている。

ダースクリーク学区は、ベイタウン市の外三町に、よって組織され、小中高校合わせて二十校約一万七千人の児童生徒の教育を管理するために、その財源の六十五パーセントを学区内住民が教育税として負担し、残りの三十二パーセントを州、三パーセントを国か助成している。

国や州が、それそれの地域の特色や多様性を尊重した地方分権制と住民の強い自治精神が相伴しって、この国では、地方により多様な学校校制度が行われている。

テキサス州の学校制度は、五−三−四制をとっている。他の州では、六−三−三、六−二−四、四−四−四制等多様で、全米では六−三−三制が半数以上を占めているという。

グースクリーク学区では、特に就学前教育、特別教育、職業教育に重点をおいている。

義務教育入門期のスムーズな適応を配慮し、すべての小学校に幼稚部クラスか併設してある。子ども達の興味関心や能力に応じた遊びを通して学習を展開し、創造性、社会性を養うことに主眼をおいているということである。

特別教育センターには、学区内から選出された三パーセントの上位児童生徒を対象とした英才教育コース、メキシコ系児童生徒を対象とした語学特別教育コース、身体的精神的に障害を有する学習不適応児を対象とした特殊教育コース等がある。

職業教育センターでば、高校生及び有職者が九職種に分かれ、「直ちに職業として役立てるためのトレーニング」という明確な目標を持って真剣に取組んでいた。

昭和六十年度文部省教員海外派遣

福島県第七一二団

田島町立槍沢中学校長

佐簾宗意

クロケット小学校幼稚部の学習風景

特別教育センター (身障児たち)

職業教育センターのオフィス事務実習風景