教育福島0115号(1986年(S61)10月)-051page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育福島0115号(1986年(S61)10月)-051page


世界の教育は、今。 海外教育事情の紹介

多言語・多民族による教育の複雑さ

−ヘルギー−

北欧の地、ベルギー王国は、我が国の中国地方と同税度の国土を有する小国である。しかし、フラマン語、ワロン語、トイツ語の三つの異なった言語活圏から構成された多言語国家でもある、誰務教育は六歳からの八年間、しかし、就学前教育の就学率も高教く、教育は充実している。現在は、約四十一パーセントがフランス語、約五十八パーセントがオランダ語、約一パーセントの子ともがドイツ語をそれそれ使用する「下校で学んでいる7校の設置主体別に児童・生徒数分布をみると、国立十九パーセント、公立二十五パーセント、私立五十七パーセントとなっており、私立学校か非常に大きな役割を果たしている。そこで学ぶ言語ひとつとってみても、国情・教育制度の複雑さに驚かされずにはいられない。

活発な学習を進める児童たち(エクセル市エタン小学校)

活発な学習を進める児童たち(エクセル市エタン小学校)

悩み多い移民の子女教育

べルギー王国は、約一千万人のうち十分の一が諸外国からの移民であり、ブリシセルのある学校ではその七十パーセントを移民の子が占めているという。そのためにいくつかの問題を抱えている。一つは、言語の問題である言葉の壁は予想以上だという第二は、社会的、文化的な面の相違である。習慣の違いは大都会の生活に溶け込むのに困難であるようだ。第三に、宗教の違いである、豚肉を食べないといった食事の問題とも関連し、教育上の悩みはつきないと、教育省視学官は嘆いていた。しかし、現場の学校を視察してみると、どの子どもにも平等に教育が施され、子どもたちもなんの抵抗もなく、互いに仲よく生き生きと学習に取り組んでいる姿をみることかできる。きっとと、その陰には、教師の目にみえぬ心あたたまる配慮と努力・工夫があるのではないか。そんな教育現場を視察することかでき、深い感動を覚えた。

昭和六十一年度文部省教員海外派遣

長期第3団

相馬市立中村第一小学校教諭

梅田正彰

皮膚の色の違う幼児たち(幼稚園部)

皮膚の色の違う幼児たち(幼稚園部)

日本製の縦笛で音楽授業(マドレースジャクモ小学校)

日本製の縦笛で音楽授業(マドレースジャクモ小学校)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。