教育福島0115号(1986年(S61)10月)-000page

教育福島　'86　10月号　Vol：15

目次

−表紙絵〜ベン・シャーン「小さな草花のたたずまい」−

提言 　[PDF]福島県立博物館長　高橋　富雄

特集

1　博物館の概要と開館記念展 　[PDF]

2　交流教育の推進 　[PDF]

随想 　[PDF]

告知板 　[PDF]県文化功労賞・ほか

研究実践 　[PDF]

社会　安積第一小学校教諭　相楽　正人

理科　好間中学校教諭　飯間香保子

養護教育センター通信 　[PDF]心身障害児の就学指導

レポート〜学校から 　[PDF]

塙町立塙中学校

県立若松女子高等学校

美術館だより 　[PDF]関根正二とその時代展ほか

博物館だより 　[PDF]飯野八幡宮

羅針盤 　[PDF]高等学校卒業者の進路状況

世界の教育は、今 　[PDF]ベルギーの教育

名画散歩

表紙絵「小さな草花のたたずまい」

版画集《リルケ「マルテの手記」より》ベン・シャーン作　アメリカの画家ベン・シャーン(一八九八〜一九六九)が、ドイツの詩人リルケ「マルテの手記」という小説に感銘を受けて制作した、二十四点の版画集です。繊細な色彩感覚と確かな造形表現が調和した、シャーン晩年の名作です。

(紙・リトグラフ　五七・三×四五・三cm　一九六八年制作　福島県立美術館収蔵)

今月号では、リトグラフの技法についてご紹介します。

リトグラフ(石版画)は、水と油の反発作用を応用した版画の技法です。制作の過程は、まず表面の平らな石灰石に、油性のクレヨンなどで絵を描きます。次に、硝酸アラビアゴム液を表面に塗ります。すると、絵の部分は水分を反発し、逆に地の部分は水と親和します。さらに、油性のインクを塗ると、絵の部分にはインクがつきますが、水分を含んだ地の部分は油性インクと反発し、インクがつきません。最後に、原版に紙をのせてプレス機にかけると、絵の部分だけが転写されることになります。

リトグラフの技法は、一七九八年、ドイツのゼーネフェルダーという人が発明したものですが、十九世紀末に、ポスターの印刷に使用されてから発展し、今世紀に入ってからは多くの画家や彫刻家がこの技法を用いた版画を制作しています。

挿図「心を悲しませてしまった両親を」《リルケ「マルチの手記」より》ベン・シャーン作