教育福島0116号(1986年(S61)11月)-047page
世界の教育bは、今。 海外事情の紹介
個性重視の教育
フインランド・西ドイツ・カナダフインランドでは、従来から個性を大切にする教育が行われてきたが、現在では中学校以上において教育課程の多様化が図られ、選択教科等も生徒の二ーズに合ったものが準備され、一人一人を生かす指導が行われている。
接校にスールバスで出向いて授業を実施するなどは日本では考られないことであった金髪で色が白く、瞳の澄んだフインランドの子どもは、神秘的で、妖精のような感じすらしたが、学校訪門で話しかけてみると意外に内気で、はにかみ屋が多く、ボーッと顔を赤らめて答えてくる姿は、私たちの学校の生徒と相通ずるものがあるように思われた。
西ドイツでは、生徒一人一人の能力、適性を重視し、それを最大限に伸ばそと努めており、学習内容をしっかり身につけさせるために落第も小中高校を通して行っている。
基礎学校(小学校)四年を終了すると、将来大学進、学をめざす者はギムナジウム、中級的職準人を、目ざ者は実科学校レアルシューレ、手に職を持ち実社会に出る者はハウフトシューレのいずれかを選ばなければならない最近では、国の経済成長とともにギムナジウムの希望者が増加し、重いカバンを背負った生徒が多く衙角で見うけられた。一方、学明るさ、人なつっこさが印象的でした。
生徒の求める活動を十分行わせることが可能なように学校の施設設備、教員配置等まで配慮して、明るい楽しい雰囲気の中で充実した学習が展開されていた。学級の全盛と共通でなく、個々の生徒が自分のタイムテーブルに基づき、自らの学習として、個別あるいはグループで教師の助言指導を受けながら真剣に学習に立ち向かっていた。
昭和六十一年度文部省教員派遣
教育事情視察団第四団
福島市立吾妻中学校校長
棚木和夫
澄んだ瞳で真剣に学習するフインランドの中学校
自分のタイムテーブルに基づき先生の助言を
受けなから学習を深めるカナダの中学生
明るくひとなつっこい西ドイツ・ハウプトシューレの中学校